【1 on 1®による経験学習とは】

プログラム概要

 本稿では、「企業変化に適応する人財育成法~組織で育成する経験学習のノウハウと実施事例」と題し、組織の制約と環境変化に直面する昨今においては、経験学習こそが最も効果的な研修方法であるとお伝えしてきた。そして、前回は伊藤忠テクノソリューションズ株式会社のお二人の管理者に登場いただき、1 on 1®による経験学習の効果について語っていただいた。
■第5回 「1 on 1®の導入事例~研修から育成のポイントを見いだす」

 多くの反響をお寄せいただいたことに深く感謝したい。さて、新年が明けいよいよ最終回。これまでを振り返り、読者諸氏の企業で実践的な研修を企画する際の参考になるよう、企画のポイントをチェックリスト形式でお届けする。そのうえで具体的な視点を示したい。

【企業の人材育成に影響を与える要因】

 企業が人材育成のための研修を企画する際に、まずは人材育成に影響を与える要因となる変化に着目する必要があると述べてきた。その変化とは以下に集約することができよう。

●30代社員が“今”の企業の求めに対応できるよう育成してきては
 いない
 (30代社員は効率を上げる、コストを削減するなどの明確な目標
 を与えられると力を発揮するが、新たな価値を創出せよ、となる
 となかなか力が発揮されない)
●中途入社の増加によるビジネス意識とスキルレベルの
 ばらつきの顕在化
●上司が人材育成にかける時間の減少
●自社人材に関する顧客からの率直な要求、場合によっては
 人材の交代要請
●研修機会の選別化、つまり階層別研修の減少と選抜型研修増加
●研修の効果を見つめる社内の厳しい目

【研修トレンドのシフト】

 これらの変化は、読者諸氏の企業での研修企画においても避けて通れない前提として立ちはだかるかもしれない。筆者の顧客企業においても、ここ3年で明らかに上記変化に呼応する形で以下の視点を取り込んだ研修にシフトしている。これは何も筆者の顧客企業に限るものではなく、大多数の企業組織に関わる明らかなトレンドシフトであると想像される。

①研修に実務的な検討が必ず盛り込まれること
②一過性の集合研修ではなく、集合研修終了後も実務検討が
 継続すること
③上長が必ず関与すること
④研修の成果確認、受講者間での内容共有、相互フィードバックの
 機会があること

 以下、これらのトレンドシフトに説明を加えよう。