近年、日本国内では毎年2万人以上の外国人留学生が大学・大学院を卒業・修了する。ところが、その約6割が日本で就職を希望しているにもかかわらず、国内で就職するのは3割の約8600人程度にとどまる(※)。日本人のグローバル人材育成に注力する企業が増えつつある一方で(記事参照)身近にいる「優秀なグローバル人材」を、なぜ採用できないのか。日本で最も多くの留学生を受け入れている早稲田大学の佐々木ひとみ常任理事に話を聞いた。
(※)2016年度に日本で大学・大学院を卒業・修了した外国人留学生23,946人を対象に調査(文部科学省「外国人留学生の就職促進について」)

日本社会よりもグローバル化が進むキャンパス

――法務省の公表によると、今年、日本で就職する外国人留学生数は過去最高で、2012年から7年間で申請・許可数が3倍になったと言われています。

佐々木ひとみ氏(以下、敬称略):私は約30年間、留学生の支援に関わってきました。早稲田で圧倒的に多いのは中国出身の留学生です。かつては住居やアルバイト探しなどで大変苦労していました。それに比べると現在は、アジアの学生を積極的に採用したい、彼らならではの活躍をしてほしいという企業が増えています。ただし、その動きは遅々として進んでいないという印象は変わりません。

早稲田大学常任理事 佐々木ひとみ氏
上智大学文学部卒業、筑波大学大学院教育研究科修士課程修了。早稲田大学入職後、オープン教育センター事務長、国際教養学部・大学院国際コミュニケーション研究科事務長、広報室副室長、キャリアセンター長などを歴任、2018年から現職。留学生の就学・就職支援などに通算して約30年間にわたり携わる。(撮影:川田雅宏)