――wevoxの使い方を教えてください。

森山:社員はスマホやPCから、だいたい月1回の頻度でwevoxの設問に回答します。設問はワークエンゲージメントと従業員エンゲージメントをもとに設定したカテゴリーに分かれており、2~3分ほどで答えられるボリュームです。カテゴリー設定や設問内容は、企業のメンタルヘルスと組織のエンゲージメントに詳しい北里大学の島津明人先生に監修していただきました。また、回答者が回答しやすいUIにもこだわっています。回答結果は、事業部やチーム単位、入社年度や職種などあらゆる切り口で見ることができます。

――wevoxを導入するのはどのようなケースが多いのでしょうか。

森山:大企業からは、新卒入社の定着率を改善したいというリクエストが多いです。人事担当者と世代が違い、いわゆるミレニアル世代の感覚が分からないという声も聞きます。または年に一度、惰性でやっていたストレスチェックだけでは自社の現状が分からず、エンゲージメントの実態を正しく測りたいというケースもあります。そして、ベンチャー企業やM&Aなどで急速に拡大している企業が自社の状態を事業のKPIと組織のKPIでダブルチェックしたいという声もあります。人事担当者の方ではなく、現場の管理職の方から、いいチーム作りをしたいと問い合わせをいただくこともあります。

経営者や人事担当者でなく現場の管理職がキーマン

――スコアは人事担当者だけでなく、現場の管理職も見られるのでしょうか。

森山:はい。以前は経営者や人事担当者だけが、職場環境の改善や従業員満足度を上げる施策を考えるのが一般的なやり方でした。しかし、エンゲージメント向上の鍵を握っているのは、経営者や人事担当者ではなく事業部や部門の管理職です。今、wevoxは約400社に導入していただいていますが、その多くの企業で、現場の管理職がこのデータをどう活用して改善サイクルを回していこうかと知恵を絞っています。トップダウンの体制で改善策を伝える手法と比較すると、現場の管理職が主体となったほうが、組織改善の効果が出るスピードが早いことがデータで明らかになっています。

――wevoxでは改善策を提示しないのですか。

森山:wevoxでは、コンサルタントのような手法とは異なり、クライアントの皆様が自分たちの組織を自分たち自身で改善していくためのサポートをしていきたいと考えています。ですので、wevoxの管理画面では各設問のスコアが見られるのと同時に、他社ユーザーの改善策が一覧できるようにしています。サービス開始当時、クライアントはIT企業が多かったのですが、今では飲食業、製造業、運輸業、出版業まで幅広く活用していただいています。業種や企業規模も多岐に渡るため、自社に合うものを自分たちで選んで実践できる形にしていますね。

――他社の改善策事例をどのように集めているのですか。

森山:wevoxスコアの数値とその変化を見て、数値が特に改善されたクライアントに、当社から取材のお願いをしています。改善アクションを直接担当された現場の管理職の方に具体的な内容をお伺いし、それをwevoxの中だけでなく、ナレッジとして公開していく試みを始めました。

――Webメディアの「DIO」ですね。

森山:はい。当社がコンサルティングをするのではなく、クライアント自身が「組織を強くするために活用できる」サービスを提供していきたいと考えています。経済産業省の方からも、「働き方改革と言っても何をやっていいのか分からない。事例がないと言う企業が多い」と聞きました。企業の代表や人事担当者の声だけではなく、現場レベルで効果を上げた事例、誰でも簡単に取り入れられる事例をどんどん公開していけるメディアにしたいと考えています。