みずほFGは社員の約半分が銀行業務、残り半分があらゆる金融サービスに携わり、カルチャーの異なる人々が混在している。シンガポール赴任も経験した犬塚氏は、多様性がいかに企業の発展にとって重要かを痛感していた。ERGについて調べているうちに、みずほFGの欧米拠点ではすでに社員が自発的にERGを作って動き出していることに気づく。そして、国内でもシンガポール出身の社員が外国籍社員との相互理解を促し、グローバル化推進に取り組む「MGCC(Mizuho Global Communication & Connectivity Club)」を立ち上げ始めていた。

 さらに2018年、女性活躍を推進する「M-WIN(Mizuho Women’s Initiative Network)」、LGBTなど多様性の理解を深めインクルーシブを促進する「M-LAN(Mizuho LGBT+ & Ally Network)」と、テクノロジーとビジネスの関係性を学ぶことで新たな価値創造を目指す「コクリエ(CocreA)」もスタート。まずはこの4つのグループで社員自ら情報交換や話し合いを行い、イベントを企画・実施しながら、少しずつスケールアップしてきた。

(写真:みずほFG提供、編集部一部改変)
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 「先にERGに取り組んでいる外資企業の担当者から言われたのは『絶対に人事やダイバーシティ推進室が表に出てはいけない』ということでした。社員が中心に自らやっていくことで、どんどん広がっていくと。もちろん必要なサポートは行いますが、グループリーダーとなるメンバーの人選や、活動方針や内容もすべて任せてきました」

 社内のERGとして承認されると、社内イントラネットに情報発信するスペースの付与や、活動やイベントに必要な予算も支援される。さらに2019年8月からはERGのために「Workplace by Facebook」を導入し、コミュニケーションを円滑にしている。外部の識者を招いた勉強会やイベントの企画・運営など各グループも活発に活動し、これまで国内外で延べ3000人以上が参加するまでに成長してきた。今年は、社員からさらに希望があがり「Toastmasters」「One’s Best(様々な障害への理解促進)」「FinAnd(金融のさらなる可能性を探る)」といった3グループも活動を開始するまでに。

(写真:みずほFG提供、編集部一部改変)
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 社員自身が「自分たちが会社を変える一端を担える」という主体性を持ち、行動に移せるようにまで、みずほFGのERGは成長を見せている。この1年間の活動について主要メンバーにアンケートをとったところ、挑戦意欲や主体性、エンゲージメント、成長意欲の高まりを感じさせる言葉が多く聞かれ、さらにネットワークの広がりによって結びつきを強く深くしていることも感じられた。国内では7つのERGが活動している(2019年10月時点)。