●キャリア開発支援

 マネジャーは自分のチームのパフォーマンス向上だけでなく、メンバーの成長を支援する役割を担っています。それはつまり、メンバーのキャリア開発を支援することと同義です。そのため1 on 1の場では、目の前の目標やアクションばかりではなく、時には将来的なキャリアビジョンについても語り合うことが必要です。

 上司が部下から「マネジャーは将来、どうなりたいのか?」とキャリアビジョンを尋ねられた時、上司が自分の思いを語ることができなければ、部下のキャリア開発を支援することは難しいでしょう。自分のキャリアビジョンを持たない人から、キャリア開発を支援してもらいたいとは思わないからです。そのため、上司自身がしっかりと自分の将来イメージを描けていることが不可欠です。

 以上に述べてきたように、ピープルマネジメントを行うためには、部下にしてほしいことを上司ができていることが前提となります。つまり、ピープルマネジメントスキルを高めるためには、マネジャー自身のマインドと行動を変えることが必要とされるのです。マネジャーに対して、単に部下育成のスキルを身に付けさせようとするのではなく、マネジャー自身のさらなる成長を促すことが求められています。

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松丘 啓司(まつおか・けいじ) エム・アイ・アソシエイツ株式会社 代表取締役
松丘 啓司

 1986年東京大学法学部卒業後、アクセンチュア入社。同社のヒューマンパフォーマンスサービスライン統括パートナーを経て、2005年に企業の人材・組織モデル革新を支援するエム・アイ・アソシエイツ株式会社を設立。同社ではパフォーマンスマネジメント、ダイバーシティ&インクルージョンなどの領域を中心にサービスを提供。主な著書として、『人事評価はもういらない』『論理思考は万能ではない』『アイデアが湧きだすコミュニケーション』『ストーリーで学ぶ 営業の極意』『提案営業の進め方』『組織営業力』などがある。

※筆者の会社名および役職は執筆当時のものです。