うつ休職からの復職では「再休職しやすい」ことが大きな課題です。実際、再休職する人の割合はかなり高く、2度、3度と再休職を繰り返す社員も増え、人事担当者の悩みは深刻です。

 そこで、この連載は「うつ休職から復職してきた社員が再休職せずに働き続けるためにはどうしたらよいか」というテーマでお伝えしています。

  再休職しやすい最大の理由は、現代のうつには「入院が必要なほど重症ではないものの、軽症でありながら治りにくい」という特徴があること。また近年では、うつの症状の背景に、実は別の病気が隠れていて、正しい病気の鑑別と治療が行われていないために休職と復職を繰り返しているケースも増えています(記事はこちら)。

 再休職しないためには、本人が

(1)復職前に自分の苦手な環境や、自分の弱点を知り(自己分析)

(2)自分で自身の体調を管理して、早期のわずかな症状の変化にも気づいて(セルフモニタリング)、対策を取り

(3)対策方法を自ら準備して取り組むこと(ストレス対策)

 という再休職予防策が必要です。

 今回は、専門家の助けを借りて行う再休職予防対策として、「リワークプログラムの選び方」をお伝えします。

 さて、私を含め、うつ休職者を診てきた精神科医の多くはこの十数年というもの、「復職可」という診断書を書いて送り出した患者が、しばらくすると再休職してしまう現実に驚き、悩み、対策を模索し続けてきました。

 どうしたら職場に戻した後も、再休職せずに継続して働き続けられるのか。どのような状態になったら職場に戻して良いかを、判断する方法を開発してきました。

診察室での短い時間では判断できない

 診察室で対面した彼らは、十分に回復したように見えましたが、再休職したということは診察室での短い時間での診察だけでは、いつ復職させたらよいかを判断するには不十分だと証明されたことになります。

 そこで考え出したのが、医療機関が行う「リワーク(Re-Work)プログラム」です。通勤のようにクリニックに通ってもらい、職場のように何らかの作業をしてもらって対人関係を見れば、職場に復帰させても良い時点を判断できます。

 現在は国内200以上の病院やクリニックが、この医療リワークプログラムを行っています(一般社団法人 日本うつ病リワーク協会のWebサイトはこちら)。

 一口に「リワーク」と言っても、医療機関が行うものの他にも似たようなプログラムがあります。実施機関によって、対象も費用負担者も違い、その目的が異なります。現在では下記の表の4つがあります。

企業に勤める会社員は、うつの治療と再休職予防を目的としている医療リワークを早期から利用するべきです(出所:一般社団法人 東京リワーク研究所)
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