外部からの刺激が本質的な変化をもたらす

 世の中の様々なものがアップグレードされています。数年前まではSFの世界と思われていたAI(人工知能)についても、今や日常生活に当たり前のように取り込まれています。様々な分野において、多様でスピーディな変化が起きている現在、人材育成の領域でも同じように劇的な変化が起きています。

 人材育成における変化を賢く正しく捉えるには、どのような方法が効果的でしょうか。それは、毎年5月にアメリカで開催される世界最高峰のATD人材育成国際会議(Association for Talent Development International Conference & Exposition、略称:ATD ICE)の情報に触れることだと私たちアイディア社は考えます。

ATD人材育成国際会議とは?

 ATD ICEは、世界中の企業、政府などの組織における職場学習と、組織で働く人と経営者の生産性向上支援を目的として活動する団体で、世界120カ国に4万人の会員を有しています。その規模と活動内容から、人材育成の領域では世界最大かつ最高水準の組織でもあります。

 ATD ICEには世界中から企業の人材育成関係者やコンサルタント、教育機関・行政機関のリーダーなど約1万人が参加します。セッションと呼ばれるセミナーや教育プログラムが300以上開かれ、業界関連ベンダーによる出展が数百社以上もあり、文字通り人材育成業界における世界最大のイベントです。今年の開催地はワシントンD.C.。最先端の人材育成関連情報を一気に収集するには絶好の機会です。

 私たちアイディア社では、2008年より毎年数名をこのATD ICEへ派遣して、日本の人材育成に役立つ情報を収集してきました。そして、現地で集めた情報を「ATD人材育成国際会議 帰国報告会」という無料セミナーにおいて、数多くの方々と共有してきました。昨年はこの無料セミナーに514名が参加してくださいました。

昨年のトレンドとブームは?

 去年2018年5月にサンディエゴで開催されたこの国際会議には、アイディア社から3人のメンバーが参加しました。

 そこで感じ取った昨年の「トレンド」を一言でまとめると「テクノロジー」。AIに代表されるテクノロジーに人間がどのように関わっていくのか、これは人材育成業界においても喫緊の課題だということです。この流れは向こう10年、15年続いていくでしょう。テクノロジーを代表する5つのメガトレンドは、IoT、AI、ビッグデータ、ユーザーエクスペリエンス、モビリティーです。

 また、その年はとてもホットなテーマではあるものの2、3年後にはどうなっているのか怪しい傾向を、私たちは「ブーム」と呼んでいます。昨年のブームはグーグル社が採用して話題になった「マインドフルネス」です。「マインドフルネスとは?」というテーマについて、ある人はCOMPASSION(同情)であるといい、ある人はBALANCE(バランス)であるといい、ある人はEQ(心の知能指数)であるといい、ある人はBRAIN SCIENCE(脳科学)であるとして、様々な発表がありました。