25年以上の経験から最近感じること

 米国シアトルのハイスクールを卒業して上智大学へ入学して以来、日本での在住歴は30年近くとなりました。大学在学時からグローバル人材育成に関わるプロジェクトに携わっていため、この分野の仕事を25年以上経験してきました。サポートさせていただいた企業は100社以上、受講者数で言えば2万人をはるかに超えています。

 バブル経済の残り香がある時代から現在に至る約30年間で、日本も世界も大きく変わりました。もちろん、グローバル人材育成についても大きく変わっています。しかし、その一方で不変なこともあります。

 そこで、今の時代に求められるグローバル人材育成のヒントを、変わらぬこと・変わったこと、という2つの切り口でお伝えしたいと思います。

まずは「変わらぬこと」とは

 グローバル人材育成に関する「変わらぬこと」の中核は、目的設定とその実現アプローチの2つだと思います。

 まず目的設定ですが、「何を目指してグローバル人材育成を行うか?」ということがきわめて重要です。企業が行うグローバル人材育成において私が常にお勧めする育成目的は、次の通りです。

 「国籍や文化の違いを超えて、外国人と上手にビジネスを進める能力を高める」

 ここで目指すべき能力は、単なる語学力やその国に関する知識量を増やすことではありません。この目指すべき能力を私たちは「グローバル実践力」を呼んでいます。それは異文化理解力、他者理解力、ロジカル力、コミュニケーション力(ミーティング・プレゼンテーション・メールライティングなど)からなります。要は、ビジネスをうまく進めるための能力にフォーカスすることが重要で、TOEICRなどで評価される単なる語学力の優先順位は低いということです。

 次に目指す目的を実現するためのアプローチですが、これは本質的には何ら変化がありません。それは、2ステップ作戦です。

ステップ1: 今までの常識とは異なる賢い方法を学ぶ(分かるステップ)

ステップ2: その賢い方法を本番に近い環境で反復練習する(できるようになるステップ)

 いいことを学んだだけでは、できるようにはならない。賢いやり方を取り入れないまま、練習や実践を繰り返してもきわめて効率が悪い。グローバル人材育成に25年以上取り組んできた実感として、この2つのステップを着実に押さえる重要性を改めて強調したいです。