グローバル人材育成を考える際、外国人を相手に英語で仕事をする力を伸ばそうとすることが一般的です。

 しかし、今年5月にワシントンD.C.で行われた世界最高峰の人材育成に関する知恵が集まる「ATD人材育成国際会議」(略称:ATD ICE)では、もう一歩先の大きな成果を目指す取り組みなどが発表されました。

 その方向性は、英語が母国語ではない日本において、かなり希少かつ有効なアプローチになるはずです。

 それでは、AI時代の本格到来を迎える直前の今、最も強化すべき3つの能力の強化方法について、順を追って紹介します。

 その能力とは、この3つです。
1. レジリエンス
2. 人間力
3. イノベーション力

1. レジリエンス

 レジリエンスとは、「精神的回復力」「抵抗力」「復元力」「耐久力」などと和訳されることもありますが、最近ではこのカタカナ表記のまま、人材育成の重要な概念として取り上げられることも多くなってきました。

 日本国内でビジネスを行っていると、予定調和的にいろいろなことがスムーズに進んでしまう。しかし、日本の国境を越えたグローバルビジネスに関わると、様々な障害と次から次に遭遇することになります。

 実はこれがレジリエンスを高める最高のチャンスなのです。

 ATD ICEでは、レジリエンスこそが今最も強化するべき能力であると、数多くのセッション(90分程度のセミナー)で強調されていました。

 「可愛い子には旅をさせよ」ということわざがあるように、グローバルビジネスの機会を戦略的に与えることで、最低でも今後10年は重要とされるレジリエンスを高めることが極めて重要なのです。

2. 人間力

 「経営の神様」と言われた松下幸之助の時代から、リーダーとしての人間力が重要であることは、誰しも分かっていることです。

 そして現在、この人間力の重要性は一層高まっていると言えます。

 管理職にとっては、外国人を含む多様な価値観を持つ部下を上手にマネージすることが求められています。

 また、若手社員はITに頼りすぎてヒューマンスキルを鍛えることができていないという現実があります。

 そこで、価値観の異なる外国人と仕事をする機会や、その事前準備として行う研修において、人間力の強化も目指すことが効果的です。

 グローバルビジネスでは、母国語、文化的な背景、そして価値観が異なる外国人に対して、相手に納得してもらったうえで適切な行動を起こしてもらう必要があります。

 それを実務で実現するためにも、試行錯誤しながら人間力を体験的に高めることができる、外国人を相手にしたタフなシミュレーション形式のグローバル人材育成が有効なのです。