たくさんのグローバル人材育成プログラムを見てきて感じたこと

 この25年間、他社が設計した数多くのグローバル人材育成プログラムや研修を見てきました。リーマンショック以降は一気にその数が増え、ここ数年は非常に多くなりました。「もっと効果的なプログラムを実施したい」というお客様のご要望にお応えするために、既存のプログラムを拝見する機会が数多くあったということです。

 それらのなかには、極めてよいものもあれば、平凡なもの、全く成果が出ないものもたくさんあります。平凡なプログラム、成果が出ない研修の問題点はなんでしょうか? グローバル人材育成において陥りやすい落とし穴が、実は2つあります。

落とし穴1:英語だけ

 1つ目の落とし穴は、英会話。グローバルビジネスで戦えるグローバル人材を作りましょうといった時、最もよくあるパターンは、ビジネス英語研修をやって終わってしまう、というものです。

 確かに、英語力は大切なのですが、ビジネス英語をしゃべれたとしても、それでビジネスがうまくいくかというと、そうでもないのです。英語力以外に、異文化対応力とか、外国人をマネジメントする能力といったコミュニケーションスキルが必要になってくるからです。

落とし穴2:理屈だけ

 2つ目の落とし穴は、マインドやマネジメント中心ということ。英語という表面的なものではなく、グローバルマネジャーとして必要なマインドとかマネジメントを学ばせる、といったものです。

 よくあるパターンは、ハーバードビジネスレビューなどで有名なケーススタディーをピックアップし、海外でうまくいっているケース、うまくいっていないケースを分析するようなプログラムです。また、リスク対応とか不確実性に対応する力を養うといった研修もよく見られます。

 これらは全く意味がない、とは言いません。しかし、これらを全部やったところで、実際のビジネスシーンにおいて、目の前に外国人が出てきて英語でしゃべりだした時に、それを抑えたりマネジャーとして上手に扱えたりするようになれるのかというと、難しいでしょう。

目指すべきは「グローバル実践力」の強化

 では、どうすればよいのでしょうか? キーワードは「グローバル実践力」です。私が定義する「グローバル実践力」とは、外国人たちと英語で仕事をする力のことです。語学力はTOEIC®の点数で評価します。実践力は語学ではない要素で評価します。異文化理解を踏まえたミーティング、プレゼンテーション、ネゴシエーションを英語でどこまでできるか、というスキルです。

 アイディア社では、十数年前にグローバル実践力をアセスメントするための「グローバル人間ドック®」というプログラムを作りました。丸一日かけて、現実的なビジネスシーンをシミュレーションして、そのなかで実際のミーティング、プレゼンテーション、ネゴシエーションを行い、各受講者のグローバル実践力を評価します。