2. 配属後の徹底フォロー

 職場に配属されたら、新入社員育成は完了。後は職場のOJTにすべてお任せ…このようなスタンスでは、主体性を持った新入社員を育成することは難しいはずです。

 新入社員研修で行った研修内容が、職場でどのように生かされているかを確認したり、職場での積極活用を促す対策が必要になります。

 例えば、
・研修で学んだスキルを高めるようeラーニングで定着演習を行う
・研修で学んだ知識が定着するようリマインドメールを送る
・社内SNSに新入社員が日報を投稿することで、新入社員の行動の
 見える化を行う
・投稿された日報を読み、職場の先輩たちがアドバイスやコメント
 を投稿する
・新入社員の主体性を引き出すアクションプランを作成してもらい、
 月次でチェックする
・プロコーチを活用して、職場での実践状況を個人別に確認する

 などが挙げられます。

 研修効果を高めるラーニングトランスファーという分野においては、教育担当者のエネルギーの8割を、研修後の定着に充てることが有効だとの研究結果があります。研修後の定着活動にさらに意識を向けていきましょう。

3. 新入社員の上司を巻き込む

 新入社員が配属された職場の上司全員が、新人育成に対して極めて強い意欲を持っているとは限りません。そこで、上司の育成意欲を引き出し、育成スキルを高める機会を提供することも有効です。

 例えば、配属先の上司を集めて1日の集合研修を行う場合、次のようなプログラムが考えられます。

・新入社員が生まれてから今日までの時代背景を知る
・最近の新入社員の特性(考え方、価値観、マインド、行動特性)
 を把握する
・新入社員に対する適切な指示の出し方
・新入社員の思考と行動を促す質問術
・新入社員の問題解決力を高めるサポート法

 プログラムを並べてみると、実に基本的な内容となりますが、現場でのリアルな悩みを解決するために必要不可欠な要素です。

 また、この1日研修で学んだ内容が、上司自身にとってどんなメリットを生み出すのか、新入社員以外にも活用できることを強調すると、職場での実践がより加速されるはずです。

まとめ

 失敗を恐れ、自ら行動を起こさない新入社員から、いかに主体性を引き出すのか。とても難しい課題に見えますが、ここでご紹介した3点のアプローチをセットで行うことで、劇的に改善することができます。

 今年入社した新入社員のフォロー策を強化する、または来年入社する新入社員育成プログラムを抜本的に見直す際に、このノウハウをご活用ください。

ジェイソン・ダーキー(Jason Durkee)(じぇいそん・だーきー) アイディア社(IDEA DEVELOPMENT株式会社)
代表取締役
ジェイソン・ダーキー(Jason Durkee)

米国シアトル出身。1992年に来日し上智大学卒業。
卒業後、研修企画会社に勤務し、研修プログラム開発、講師、教務、営業など、研修会社におけるすべての業務を担当する。
2003年に企業向け教育研修会社アイディア社(IDEA DEVELOPMENT株式会社)を設立。現在は、人材育成のコンサルタント、教育プログラムのデザイナー、研修のインストラクターとして、幅広い業種の企業向けに人材育成サービスを提供している。
主な著書:
無理なく続く英語学習法(日本実業出版社)
ガツンと言える英会話(ジャパンタイムズ)
ビジネス英語の技術(ジャパンタイムズ)

※筆者の会社名および役職は執筆当時のものです。