私は25年間、企業の人材育成の仕事に携わっているのですが、今年になってようやく、十分に効果を発揮する「理想的な人材育成のやり方」を実現できるようになりました。

 なぜ実現できるようになったのか。それには大きく2つのトレンドが関係しています。1つ目は効果的な研修設計、2つ目は効果的なITプラットフォームです。

効果的な研修設計

 1つ目のトレンドは研修設計です。昔から企業における人材育成の1番の悩みは、受講者たちが研修で学んだ内容を職場で生かすことができず、研修の成果が出ないということでした。

 私は数年前から、研修内容を定着させる方法(これをラーニングトランスファーといいます)について、かなりの時間とエネルギーをかけて世の中にある研究成果や調査結果のほぼすべてを調べてきました。そして昨年、どのように定着させればよいのか、どのように使えば成果につなげるのかというメカニズムを解明することができました。

 それはある意味当たり前の内容でしたが、やるかやらないか、たったそれだけの違いで研修効果が劇的に違うことが分かったのです。

研修タイプ別の効果的な研修設計

 知識系の研修の場合は、受講者たちが研修内容を職場でどう生かそうと考えているかを事前アンケートで聞いておき、研修の中では講師がそれを強調して教え、研修後には新しく学んだことを忘れないようにリマインドする。

 スキル系の研修の場合は、研修の場で1回やったからすぐにできるようになるというものではないので、研修後に繰り返し反復練習する。また、学んだスキルを職場で使える機会を作ってもらうために、上司を巻き込む。

 マインド系の研修の場合は、頭で分かってはいるのだけれど新しいことにチャレンジするには勇気がいるので、精神的な不安やうまくいかなかったらどうしようという悩みを全部解消してあげて、大丈夫だよと安心させる。

 これらは全部当たり前のことなのですが、こういう場合には何をすればよいのか、どんなふうにやればよいのか、それらを全部まとめて分かりやすくシステマチックに体系化することができました。実は私たち以外にも、海外でラーニングトランスファーを熱心に進めている人たちがいます。11月末開催予定の「ラーニング×イノベーションフォーラム2018」にてご紹介したいと思います。

効果的なITプラットフォーム

 2つ目のトレンドはITプラットフォームです。新しいテクノロジーが世の中に出てくると、人材育成業界においても話題になります。最近ではAI、AR、VRなどがホットですね。ただし研修効果を考えた場合、マイクロラーニングのためのITプラットフォームが今1番可能性を感じます。

 効果的な研修設計のところでお伝えしたような内容を全部マニュアルで実行しようとすると、結構大変です。例えば、事前課題を準備して回答してもらう、上司を巻き込む、研修後にアクションプランを作る、リマインダーを送る、フォローアップする、など複雑で多岐にわたる作業が必要になるからです。

 ここでITプラットフォームの登場です。ITプラットフォームを使えば、一元的に複雑なプログラムを簡単に管理できるようになり、すべてのコンテンツを誰でもどこからでも見られるようになります。しかも最近では、それらを低コストで使えるようになりました。

世界のベスト中のベストが集まるセミナー

 人材育成業界の悪い癖は、簡単なことを難しい専門用語やカタカナで表現してしまうことですが、私が今言いたいことは、極めてシンプルです。効果的な研修設計と効果的なITプラットフォーム、このワンツー・パンチで研修効果を劇的に高めましょう。今こそ、効果的な人材育成研修を行う最高のタイミングです。

アイディア社のセミナー
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1-2-3年目社員育成FORUM 2018
2018/10/17 東京

ラーニング・イノベーションFORUM 2018
2018/11/26 東京

ジェイソン・ダーキー(Jason Durkee)(じぇいそん・だーきー) アイディア社(IDEA DEVELOPMENT株式会社)
代表取締役
ジェイソン・ダーキー(Jason Durkee)

米国シアトル出身。1992年に来日し上智大学卒業。
卒業後、研修企画会社に勤務し、研修プログラム開発、講師、教務、営業など、研修会社におけるすべての業務を担当する。
2003年に企業向け教育研修会社アイディア社(IDEA DEVELOPMENT株式会社)を設立。現在は、人材育成のコンサルタント、教育プログラムのデザイナー、研修のインストラクターとして、幅広い業種の企業向けに人材育成サービスを提供している。
主な著書:
無理なく続く英語学習法(日本実業出版社)
ガツンと言える英会話(ジャパンタイムズ)
ビジネス英語の技術(ジャパンタイムズ)

※筆者の会社名および役職は執筆当時のものです。