――KPIや行動計画について教えていただけますでしょうか。

伊藤:15年10月時点での女性管理職の比率が10.7%でしたので、2020年には13%に引き上げることを目標にしています。将来的には職員比率同様、管理職についても男女半々を目指していけると私自身は感じています。

 ただ、管理職になるにはそれなりにキャリアを積んでいただかないといけませんので、そのための人事戦略も立てていく必要があります。単なる器として役職を用意するだけではなく、スキルのフォローアップもしていきたいと思っています。

管理職に最も大切な観察力に長けた女性の力を、支払基金の仕事に生かしてほしい

――理事長からは、トップとしてどのようなメッセージを職員に伝えているのでしょうか。

伊藤:男性、女性にかかわらず、私たちの仕事が日本にとっていかに大事なものかということを、ぜひ理解していただきたいと思っています。

 国民皆保険は世界に誇る制度であり、日本独特の相互扶助の伝統が基礎になっています。国民が医療保険制度の恩恵を受けてきたことが、戦後の復興を実現した要因の1つにもなったと私自身は考えています。制度をきちんと守り次世代に残していくこと、その役割を担う人材を男女区別なく育てていくことは、私のこれからの使命の1つだと思っています。

 また、私どもは審査支払機関として、医療機関に対して保険診療のルールに則った患者本位の医療がなされているかを確認する作業を行っています。質の高い、国民一人ひとりに合った医療を提供すること、そのためになぜ支払基金が必要なのかということを、職員に伝えていきたいです。

 日本の社会保障制度を守っているという強い使命感と高い倫理観を持って働く。そのなかで、女性の新しいロールモデルも提示できるのではないかと思っています。

――交流会のパネルディスカッションに登壇した女性職員の方々も、とてもパワフルなロールモデルでしたね。

伊藤:はい。現在管理職に就いている女性の方々も本当にしっかりとやってくれています。ただ、今はまだああいう方々が「私たちとは違うな」と特別視されてしまうところがあるので、組織の中に自然に溶け込んでいるような状況が作れればと思っています。

全国支払基金女性交流会

全国支払基金女性交流会2
17年7月に開催された初の全国支払基金女性交流会。冒頭で伊藤理事長が参加した全国の女性職員にメッセージとエールを送った。パネルディスカッションでは、ロールモデルとなる6人の女性が登壇。育児と仕事の両立や転勤についての経験を話し合った。