営業女子チームのアイデアを実現化に向け開発中

――営業女子がディスカッションや実証実験を経て、活躍のための改革案を提言する「新世代エイジョカレッジ2017」では、21社の中から、見事に「フォーラム部門大賞」を受賞しましたね。

玉置:当社の「チタン女子」チームのアイデアである仮想通貨システム“Pay it Forward”が大賞を受賞しました。これは、褒める行為の活発化、可視化を狙い、ブロックチェーン技術を応用して仮想通貨を贈り合うシステムです。仮想通貨は、「ありがとう」「よくできました」「期待しているよ」「元気玉」の4種類。職場における”承認の文化“を醸成し、働きがいを向上させるべく、当社でもこの趣旨に沿って褒める文化醸成に向けた取り組みを進めようとしています。

 もう一つエントリーしたのが、会議のファシリテーションをするくまのぬいぐるみを会議室に設置し、会議の効率化を図る「実験!会議室」。くまのぬいぐるみが、終了時間のアナウンスや発言者のランダムな指名を行うのですが、こちらも社内で一部導入中です。残念ながらこちらは「エイジョカレッジ」で賞を取ることはできませんでしたが、現在、このソリューションを世に出すべく、開発を進めているところです。

(上)同社営業女子チームは「新世代エイジョカレッジ2017」にて「フォーラム部門大賞」を受賞。(下)くまのぬいぐみが会議のファシリテーションをするアイデアは今開発を進める。

―――2018年は、3カ年計画の最終年度でした。これまでの取り組みにより、風土の変化は感じますか。

玉置:そうですね。まずは、働き方変革の意識を浸透させることに注力し、KPIを設定して改善しながら小さな成功体験を作り続け、最終的に抜本的なプロセスを変える。こうしたステップを想定して進めてきましたが、非常にいい形で来ていると思います。

 今、意識しているのは、その抜本改革の部分です。我々のビジネスは、納期のあるプロジェクト型ですから、プロジェクトが滞るとどうしても長時間労働に傾きがちになる。これまでは“仕方がない”としてきましたが、そうではなく、プロジェクトの見積もりの原則を見直したり、状況を早めに把握し、組織でフォローしながら進めていくなど、組織をあげて改善しようとしています。

――3年間のKPIの変化はいかがでしょうか。

玉置:「年間平均総労働時間」では、当初の2016年度から比較して42時間減(2017年度実績)、56時間減(2018年度見通し)と、着実に成果が出ています。2015年度に5.1%だった「年間年休取得5日以下の人の割合」は、2017年度からはゼロ化達成。なかなか休まない人には、バイネームで追い回しました(笑)。

 “働きがい”のKPIでも、「良好な結果」であると評価できる3.5以上がほとんどと、総じて数値は高めです。「会社、上司、職場への満足度」「仕事とライフイベントの両立実感」などは3.84となっています。なお、活動に対する社内の受け止めとしては「働き方変革の意図や活動は理解しており、それをやることのメリットも感じているし、自分自身も工夫をしている」という状況。一方、上司のマネジメントの変革や、良い変化の実感に関する数値は、良好な結果と評価できる3.5よりもやや低く、今後の課題ですね。こうした調査を継続的に行いながら、さらに取り組みを進めていくつもりです。

――2019年度の「働き方変革」推進の抱負を教えてください。

玉置:これまで3カ年計画に基づいて流れを作ってきましたが、今後も引き続き、働き方変革を継続し、組織の中の定常的な活動に落とし込んでいきたいですね。さらに、“働きがい”の追求とダイバーシティの取り組みなど“魅力的な会社作り“に向けて活動を進めていきます。

麓 幸子(ふもと・さちこ) 日経BP社 日経BP総研フェロー
麓 幸子

1984年筑波大学卒業。同年日経BP社入社。88年日経ウーマンの創刊メンバーとなる。2006年日経ウーマン編集長。12年ビズライフ局長。日経ウーマン、日経ヘルスなど3媒体の発行人となる。14年日経BPヒット総合研究所長・執行役員。15年日経BP総合研究所副所長。17年日経BP総研マーケティング戦略研究所長。18年現職。2014年法政大学大学院経営学研究科修士課程修了。内閣府、林野庁、経団連・21世紀政策研究所研究委員などを歴任。筑波大学非常勤講師。一男一女の母。著書等に『女性活躍の教科書』『なぜ、あの会社は女性管理職が順調に増えているのか』(日経BP社)、『企業力を高める―女性の活躍推進と働き方改革』(共著、経団連出版)、『就活生の親が今、知っておくべきこと』(日本経済新聞出版社)などがある。

※筆者の会社名および役職は執筆当時のものです。