2017年11月に「働き方改革」推進室を立ち上げた、味の素冷凍食品。全社員の個別の業務解析の結果をうけて、着々と働き方改革を進めている。1年経った今、改革の成果と見えてきた課題、今後の施策と方向性について、取締役専務執行役員の日比 聡氏に話を聞いた。
(取材=麓幸子:日経BP社 日経BP総研フェロー、文=船木麻里)

管理職の率先垂範が、改革のカギ

――改めて伺いたいのですが、働き方改革がなぜ今、ビジネスに必要なのでしょうか。

日比専務執行役員(以下、日比):我々は働き方改革を経営戦略の重要な一つととらえています。冷凍食品メーカーなので、基本的にはお客様に対して驚きと感動のある商品を開発してお届けすることが最大のミッションですが、そのためにはもっと自由な発想が必要です。

 社員が今までのような長時間労働を前提とした働き方ではなく、時間的な余裕のある中で様々な見聞を広めることで、イノベーションを起こしやすくすることが大切。今の仕事をできるだけ効率化して、生産性を上げて、そこから生み出された時間をお客様に向けて自由な発想をもって取り組む。そのために働き方改革が必要なのです。

味の素冷凍食品 取締役専務執行役員 マーケティング本部長 日比 聡氏
1981年 味の素入社。2007年 ヤマキ取締役上席執行役員。2010年 味の素冷凍食品 取締役常務執行役員マーケティング本部長。2011年同取締役専務執行役員マーケティング本部長。

――全社員の個別の業務解析を実施されたそうですね。そこから1年経ちましたが、いかがですか。

日比:はい、全社で取り組みました。社員一人ひとりが自分の業務の仕方、時間生産性の現状を知ることで、さらに組織の生産性向上において何が課題かを明確にして、具体的な改善策を打っていこうというのが目的です。

 現場の管理職が責任を持って進めてきましたが、結果として組織によって取り組みに濃淡が出てしまったことが一つの課題として挙げられました。各組織で管理職がドライバーになって、改善までもう一段踏み込んでいかないと、なかなか生産性向上の効果は上がらない、ということが浮き彫りになりました。

 また、全社員を対象にしたアンケートを昨年の4~5月にかけて実施しましたが、その中でも管理職には、マネジメント力強化への期待やダイバーシティ推進の点でもっと理解してほしいという声がありまして、やはり管理職のマネジメントがキーとなることが浮き彫りになりました。