全管理職の就労状況を役員間で共有

――その「管理職のマネジメントがキーとなる」ことについては、どう感じられますか。

日比:やはり管理職が率先垂範して変えていかないと、従来の殻をなかなか破れないですね。当社の管理職はどちらかというと旧態依然としているところがあります。そのため管理職研修を実施したり、全国の会議の場でも私が顔を出す時は必ず働き方改革の話をしてきたので、この1年で管理職の意識はだいぶ高まってきたと思っています。

 管理職の抜本的な意識改革を目的に、就労時間実績のランキングも出していて、全管理職の総実労働時間、残業時間、有給休暇取得率といった就労状況を、管理職と役員の間で共有しています。毎月の総実労働時間ランキングを見て、長時間労働が何カ月も続くような管理職には、私が直接アプローチしています。今は過渡期なので、そういうことをきちんと意識づけていけば変わっていくのではないでしょうか。

 若い管理職は比較的意識を変えるのが早いですが、我々を含め50代以上の管理職には、過去の「長労働時間を是」とする者も中にはいます。そこを変えていかないといけないですね。

管理職研修の模様。全国の会議の場でも必ず働き方改革に触れるという日比専務

――実際に管理職の総実労働時間のランキングが出てくるのはシビアですね。でも、例えば長時間労働の管理職でも、営業としては売り上げがあって成績がいい場合、そこは勘案しないのですか。

日比:そうですね。フレックスタイム制度を使ったり、サテライトオフィスや在宅勤務を活用して、その中で時間生産性を上げていければいいと思っています。

 営業は新製品の発売時期などは多忙ですが、毎日朝から晩まで24時間忙しいわけではありません。業務解析から課題になってきたのは、例えば移動時間の活用や、会議時間の短縮などでした。現在、遠隔地ではWEB会議を積極的に活用していますし、会議をもっとシンプルにするとか、形態を変えるなど、エリアによっても課題の濃淡がありますので、柔軟な対応が大切です。

――「働きがい」、いわゆるエンゲージメントについてはどのような結果が出ましたか?

日比:味の素グループ全体で取り組むエンゲージメントサーベイを2017年度に行いました。世の中の平均では70%以上が合格点といわれている中、当社は69%という結果でした。2020年度の目標は、80%を掲げています。

 調査では、人材やキャリア育成、業績評価という点で社員がどう感じているか、というところに課題があるという結果になりました。このあたりも踏まえて80%にしていきます。

――エンゲージメント80%以上は高いと思いますが。

日比:そうですね。ただ部署によって差があります。例えば研究所は比較的高いですが、工場の現場は低いといったこともあるので、そのような問題を一つひとつ見ながら、施策を打たなくてはいけないと思っています。

 例えば工場では、パートタイム社員の準社員化、正社員化を推し進めているところです。パートタイム社員にも優秀な方がいますので、積極的に準社員、正社員に引き上げようということで取り組んでいます。