――働き方改革には、長時間労働の解消だけではなく、働く人のモチベーションやエンゲージメントの向上も必要です。モチベーションやエンゲージメントを上げる手法の一つとしてスポーツは有効でしょうか。

水野:確かに、スポーツにはそういった効果があると思います。スポーツ好きな社員が集まっている当社は、多くが「情熱あふれる社員」だと、私は感じていますから。

 野球、サッカー、バスケットボール、テニス、自転車など、クラブ活動は盛んです。仕事を早く終えてスポーツの時間に充てたいと考える社員も結構いると思います。

ファミリースポーツデー
昨年は「ファミリースポーツデー」という名称で運動会を復活させた

――社内運動会を行うなど、コミュニケーションを密にする方策がいいとも言われていますが、スポーツを事業としているミズノでは自然にそれを取り入れているんですね。

水野:ミズノだけで駅伝大会を開催したこともあります。いくつもチームができて、トータルで約180人の参加者がいました。それと、去年は「ファミリースポーツデー」という名称で運動会を復活させたんです。以前は半強制的な形でしたが、今回は自由参加。それでも180人が集まって楽しく開催しました。

――運動会を復活して、どのような効果があったのでしょうか。

水野:当社は比較的、部門間の連携はある方なんですが、それでも近年は以前と比べれば少し希薄になってきているとの声も聞こえています。スポーツデーでは、所属は一切関係なく行ったので、他部門の社員と初めて話すことができた、横のつながりが持てた、などの声がありました。新たなコミュニケーションが生まれるきっかけになれば、社内の活性化を促進する様々な効果が期待できると思います。

麓 幸子(ふもと・さちこ) 日経BP社 日経BP総研フェロー
麓 幸子

1984年筑波大学卒業。同年日経BP社入社。88年日経ウーマンの創刊メンバーとなる。2006年日経ウーマン編集長。12年ビズライフ局長。日経ウーマン、日経ヘルスなど3媒体の発行人となる。14年日経BPヒット総合研究所長・執行役員。15年日経BP総合研究所副所長。17年日経BP総研マーケティング戦略研究所長。18年現職。2014年法政大学大学院経営学研究科修士課程修了。内閣府、林野庁、経団連・21世紀政策研究所研究委員などを歴任。筑波大学非常勤講師。一男一女の母。著書等に『女性活躍の教科書』『なぜ、あの会社は女性管理職が順調に増えているのか』(日経BP社)、『企業力を高める―女性の活躍推進と働き方改革』(共著、経団連出版)、『就活生の親が今、知っておくべきこと』(日本経済新聞出版社)などがある。

※筆者の会社名および役職は執筆当時のものです。