ダイバーシティが「イノベーション=新結合」を支える

――研究の分野に女性が増えることの利点を教えていただけますか。

佐藤:例えば、JSTとNEDOの共催により年に一度開催される産学連携のイノベーション・ジャパンがございます。これは大学や公的研究機関等から創出された研究成果の社会還元、技術移転を促進することおよび実用化に向けた産学連携などのマッチング支援を実施することを目的とするイベントで、本学は16年、17年と2年連続して全国の私大でトップの採択出展数をいただいています。

 イノベーションは、「新結合」であると私は考えています。つまり、今まで結びつかなかったものを結びつけ、新しい結合を見つけ出すことによって創造を生みだすのです。新結合を支えるのがダイバーシティであり、女性研究者の増加は欠かせないものなのです。私の研究室には博士課程の大学院生が5人いるのですが、4人はアフリカとアジアからの留学生で、そのうちの1人は女性です。これはもうダイバーシティそのものです。

女性活躍推進賞表彰式
先進工学部生命化学科では女性比率が4割を超える

――さらに多くの学部で女子学生比率を高めるにはどういうことが必要でしょうか。

佐藤:機械系の学科が約5%で一番低いですね。もともと男子学生が大半であった時代に作られたキャンパスですから、女性用のトイレの数を増やし、パウダールームを設けるなど施設・設備面を整えていく必要があります。5年間で3棟を建設した八王子キャンパスでも、ダイバーシティに適応する最新の施設・設備を整えていますのでぜひご覧いただきたい。

 学部や学科のより詳しい魅力を伝える努力を大学側がしていくことも必要だと思います。機械工学や電気電子工学などのなかにも先ほどご紹介したような、生命に関わるような分野、あるいは、医療や介護に関わる部分はかなり大きくなってきています。そういう分野があり、女性の視点で研究をしてもらいたいということを、さらに大学側が発信していくことが大事だと考えています。

女性用トイレ
女性用トイレを増やし、パウダールームを設置するなど環境面も整えている