17年に女性活躍推進法に基づく認定制度「えるぼし」で最高ランクの三ツ星を獲得したQUICKは、現在、「働き方改革」に注力する。近藤勝義社長自ら委員長として指揮を執りスタートした「QUICK Smart Workプロジェクト」は、経営の構造改革と位置付けて取り組んでいる。その中心にある全社挙げての「断捨離運動」とはどういうものなのか。常務取締役であり、同プロジェクトの主査として改革を推進する伊藤朋子氏に話を聞いた。
(取材=麓幸子:日経BP社 日経BP総研フェロー、文=船木麻里)

女性活躍を示す最高位のえるぼし三ツ星企業の認定

――えるぼし認定企業は630社となりましたが(18年6月末現在)、QUICKは女性活躍推進法施行1年たたない17年1月の段階で最高ランクの「三ツ星」を取得しています。女性比率25%で、女性管理職比率は14.7%。役員相当職に占める女性の割合も12.5%と高いですね。女性活躍が成功している要因はなんだと考えていますか。

伊藤常務取締役(以下、伊藤):よく聞かれるのですが、当社が特別に何か取り組んだということはありません。歴代トップの公平で先進的な考えも影響していると思います。私は男女雇用機会均等法施行の前の入社組ですが、その時から男女の採用数はほぼ同数でした。「こういう仕事をしたい」というと女性にもなんでも任せてくれましたし、男性上司も改善案などを受け入れてくれました。当社には、一生懸命に働くなら応援するという文化があるということだと思います。

 私が管理職になったのは25年以上前ですが、同期の男性と同じタイミングでした。私は7月に出産予定だったのですが、その年の3月に課長に昇進したんです。

QUICK伊藤常務取締役
早稲田大学卒業後、QUICKに入社。ネットワーク部開発課主任、海外課主任を経て、秘書室課長、人事部海外事務課長を歴任。2001年秘書室部長。05年教育・研修部長、10年総務本部本部長補佐。11年カスタマーサポート本部長。13年3月取締役就任。16年3月常務取締役人財・総務・労務担当。17年 常務取締役StepUp推進総括、人財・総務・労務担当。18年常務取締役人財・総務・労務統括、StepUp推進総括。

――妊娠中に管理職に昇進したということですか。今だとあり得る話かもしれませんが。

伊藤:おそらく「(産休・育休後に)会社に帰ってきていいんだよ」という会社からのメッセージだと受け止めました。ありがたかったですね。

――女性活躍において最大のネックとなっている転勤はどうですか?

伊藤:それも男女変わらずで、昔から女性も普通に海外勤務をしています。女性の国内主張、海外出張が珍しい時代から、私も行かせてもらいました。

――では、現在、注力されている働き方改革についてお伺いします。

伊藤:当社は2021年に創業50年を迎えますが、昨年3月に就任した近藤社長が、同年10月に「経営の構造改革を行う」と宣言しました。その柱の一つが働き方改革「QUICK Smart Work プロジェクト」です。これは、単に長時間労働の是正だけがねらいではなく、多様な社員一人ひとりの働きがい・価値を高めることで、組織の生産性・価値を向上させる全社員参加型プロジェクトです。

 社長からは、現場の若手の声を直接聞きたいとの要望があり、月に1回、若手社員7、8人と社長、それに私がファシリテーターとして懇談会を実施しています。昨年7回、今年もすでに4回実施しました。