――健康経営についての施策を教えてください。

伊藤:2月に社長が「QUICKの健康経営」を宣言しました。体の健康対策、心の健康対策、休み方改革を3つの重点対策として、各種施策を総合的に実施しています。

 体の健康対策では、移転先では喫煙室を廃止、禁煙サポートプログラムを導入し、毎月22日はスワンスワンの禁煙啓発活動に取り組んでいます。また各自の健康対策として「健康アプリ」を各自のスマホなどにいれて健康管理を意識することを勧めています。社内健康診断とリンクしていて、自分の健診結果が一目で分かります。9月には全社ウオーキングラリーを行い歩数の多かった社員には表彰もしたいと思っています。

 心の健康対策は、ストレスチェックを初め、メンタルセミナー、健康相談室の活用など15年前から充実した内容で体勢を取っています。

 休み方改革では、まず、「健康休暇」を4月1日付けで導入しました。これは例えば人間ドックとかジムで体を鍛えるなど、何にでも使えるという、年休20日にプラス1日の休暇です。休暇制度としては、ほかに「プラスワン休暇」も導入しました。土日の前後に1日休暇をプラスして、3連休を取りやすく感じてもらうためです。すでに去年の4月から制度化しています。

 労働時間でいえば、水曜日は全社一斉に18時30分に消灯する「ノー残業デー」や「プレミアムフライデー」、勤務と勤務の間は11時間以上開けるという、「勤務間インターバル制」も取り入れています。

 残業については、一人当たりの一カ月の残業時間が、2010年は全社平均45時間だったのが、今年度は30時間を切るくらいになりました。3カ月に1回、経営会議で部門ごとの時間外と休暇取得状況を公表していますが、効率よく業務を行い、「早く帰る」「休む」ことへの意識付けも進んできたと思います。

禁煙啓発活動のポスター
健康相談室にはスワンスワンの禁煙啓発活動のポスターも。

――最後に、働き方改革の効果検証が難しいという声も多いのが実情です。QUICKでは、何をKPIとして設定しているのですか。

伊藤:働き方改革を評価するKPI「QUICK Smart Work 指数」を設定し、公開します。このKPIは、「生産性」「エンゲージメント」「時間」の3つを軸としたQUICK独自の評価指数です。生産性は、売り上げ、営業利益の数字です。エンゲージメントは、社員の声を可視化してエンゲージメントを測定する匿名式の診断ツールを活用します。時間のKPIというのは、残業時間や有給休暇取得などの数字を活用します。2017年データを基準値100とし、その後、それぞれ算出された結果を、レーダーチャートなどグラフ化します。この3つを軸にして「三角形」を作り、面積にして数値化したところが、当社のオリジナルだと思います。

 KPIは定点観測を実施し、改善策を早期に講じていく手段としても用いていく予定です。

現代においては、過去の成功モデルは役に立たず、常にイノベーションを生み出すことが企業の成長には不可欠です。
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麓 幸子(ふもと・さちこ) 日経BP社 日経BP総研フェロー
麓 幸子

1984年筑波大学卒業。同年日経BP社入社。88年日経ウーマンの創刊メンバーとなる。2006年日経ウーマン編集長。12年ビズライフ局長。日経ウーマン、日経ヘルスなど3媒体の発行人となる。14年日経BPヒット総合研究所長・執行役員。15年日経BP総合研究所副所長。17年日経BP総研マーケティング戦略研究所長。18年現職。2014年法政大学大学院経営学研究科修士課程修了。内閣府、林野庁、経団連・21世紀政策研究所研究委員などを歴任。筑波大学非常勤講師。一男一女の母。著書等に『女性活躍の教科書』『なぜ、あの会社は女性管理職が順調に増えているのか』(日経BP社)、『企業力を高める―女性の活躍推進と働き方改革』(共著、経団連出版)、『就活生の親が今、知っておくべきこと』(日本経済新聞出版社)などがある。

※筆者の会社名および役職は執筆当時のものです。