――多面性に関してはどのような施策をされているのでしょうか。

吉松:私がこれまでやってきたのは、社内の昼食会。管理職はシャットアウトで、若手だけで1時間、ありとあらゆる質問を受けています。社長としてこの会社の方向性や人の育成の問題をどう考えているか、若手に意見を言ってもらうことを条件に、話してもらう。昨年は25回くらいやっていますね。

 また、社長と部門長でのダイバーシティキックオフを6月に行い、外部講師を招いて講演していただきました。さらに同じ時期に3人の女性執行役員と女性管理職のラウンドテーブルを設け、女性のキャリアアップのモチベーション向上について議論しました。福岡、大阪、東京で行い、60人の参加がありました。

ダイバーシティキックオフ/福岡でのラウンドテーブル
(左)6月に開催された社長と部門長でのダイバーシティキックオフ
(右)福岡でのラウンドテーブル

――ダイバーシティ推進のプロジェクトが次々に始動していますね。

吉松:はい。「DEAR」というブランドを作って、13の部門にダイバーシティ推進活動プロジェクトを進めています。DがDiversity(ダイバーシティ)、EがEngagement(結びつき)、AがAll(みんな)、RがRespect(尊敬)。お互いが尊重し合うという意味が込められています。

 各チームは課題を洗い出し、アクションを立てます。四半期ごとに全チームで集まり、進捗状況を共有し、課題解決のための意見交換を行います。そこでの取り組みは社内WEBでも公開しています。

サーバントリーダーシップが経営の基本
全議体で5分間「ハラスメントの話」を入れる

――最近取材をしていて、管理職やリーダーのイメージが変わってきていると感じることがあるのですが、コカ・コーラ ボトラーズジャパンではいかがでしょうか。

吉松:私はずっと「サーバントリーダーシップ」の重要性を言い続けています。リーダーがメンバーをサポートしていく気持ちと「忠恕の心」、つまり思いやりと真心を持つことがダイバーシティ推進につながると信じているからです。これからはこれまでのような支配型のリーダーでは必ず立ち行かなくなります。ここ2年ほどは、徹底的にそのことを伝えています。

 それと会議では必ず5分間の「ハラスメントの話」を議題に入れるように呼びかけています。選ばれた会議体ではなく、全社すべての会議体で、ということです。

――すべての会議体で、ですか。

吉松:はい。というのも、サーバントリーダーシップを主体的にやるメンバーを育成すれば、比例して会社の業績が上がっていくからです。ハラスメントが横行しているような会社は組織として根本から崩れていますから、業績が伸びるはずがない。当社はハラスメントを起こすと非常に厳しい処分を受けるというルールです。だからこそ会議体で必ず議題を設けるという指示を出すのです。

 実際、相談案件は増えていますが処分件数は減っています。認識ができてきたのでしょう。また年に1度は、部門長以上を対象に「人権啓発講習会」を実施し、特にハラスメントの講義を重点的に行っています。セクハラ、パワハラだけでなく、何をしたらハラスメントになるか。しっかり認識してほしい。でも気にするあまり萎縮してはいけないので、そこでサーバントリーダーシップが必要なんです。