――なるほど。サーバントリーダーシップが、ダイバーシティ経営のベースなんですね。話は変わりますが、社長は地域密着と顧客起点ということも大事にしていますね。

吉松:はい。私どもはボトラービジネスを担っています。原液を調達し、製造、販売、容器の回収といったオペレーションで、卸を使わずに顧客にダイレクトに売り込み、密接に関わるのが特徴です。その意味で我々は地域に生かされています。地域の人の考え方、嗜好、価値観が分からないとよい商品・サービスが提供できない。そういう意味で「地域に密着する」というのがビジネスの根幹にあって、顧客に接点を持ちながらビジネスをやっていくのがベースになっている。だから「顧客起点」というのは経営の原理なのです。

 私はこの「地域密着」と「顧客起点」、それに「品格」と「ダイバーシティ」の4つをコーポレートアイデンティティとして掲げています。そして、私たちが社会で果たすべき「ミッション」と、この4つの「コーポレートアイデンティティ」、顧客起点の企業であるための考え方や行動を示した「カルチャー」をまとめたものが企業理念である「THE ROUTE」です。弊社のコーポレートサイトでも公開していますが、これらを手のひらサイズの手帳にして、社員全員に配布しました。1月に新会社になり、我々の企業理念をよりよく理解しようということです。結果として、社員自らが常に「THE ROUTE」を意識し、日々の活動の中で実践を繰り返すことで、浸透していると感じています。

「THE ROUTE」
企業理念である「THE ROUTE」は、手のひらサイズの手帳にして社員全員に配布
麓 幸子(ふもと・さちこ) 日経BP社 日経BP総研フェロー
麓 幸子

1984年筑波大学卒業。同年日経BP社入社。88年日経ウーマンの創刊メンバーとなる。2006年日経ウーマン編集長。12年ビズライフ局長。日経ウーマン、日経ヘルスなど3媒体の発行人となる。14年日経BPヒット総合研究所長・執行役員。15年日経BP総合研究所副所長。17年日経BP総研マーケティング戦略研究所長。18年現職。2014年法政大学大学院経営学研究科修士課程修了。内閣府、林野庁、経団連・21世紀政策研究所研究委員などを歴任。筑波大学非常勤講師。一男一女の母。著書等に『女性活躍の教科書』『なぜ、あの会社は女性管理職が順調に増えているのか』(日経BP社)、『企業力を高める―女性の活躍推進と働き方改革』(共著、経団連出版)、『就活生の親が今、知っておくべきこと』(日本経済新聞出版社)などがある。

※筆者の会社名および役職は執筆当時のものです。