スタッフの個性が「大丸・松坂屋」のブランド

 この「輝く100人のポスター」の企画は、同社の営業本部営業企画室で立ち上がったものだ。「300周年を機にお客様への感謝を伝える際に、様々な部署のスタッフの働きぶりとプロ意識を知ってもらおう」というアイデアから始まった。「お客様には私たちの仕事ぶりを伝え、そして同時に従業員にはここで働くことに誇りを感じてもらいたい、という思いで実現した企画です」(澤田氏)。

 ポスターは各店舗やWebサイトで公開し、個性豊かなスタッフの姿を社外のお客様に訴求するとともに、従業員のモチベーション向上、コミュニケーションの活性化にも役立った。このポスターの企画を担当した営業企画室・秀島麻友子氏は、「登場する人物は取引先スタッフも含めて各店舗の店長が主となって決めましたが、『本当なら従業員全員のポスターを作りたかった』と社長の好本(達也氏)がコメントしたほど。弊社にはすばらしい仲間がいることを、この記念企画を通じて改めて社員で共有できました」と当時を振り返る。

 老舗百貨店である大丸と松坂屋が経営統合した2007年から、大丸松坂屋百貨店ではスタッフの交流を図るためにシャッフル人事も頻繁に行われてきた。統合後11年となる現在では、それぞれの屋号の出身によらず、社内での一体感が確実に醸成されてきている。

 創業300周年記念企画の一つであった「輝く100人のポスター」プロジェクトは、それをさらに加速させ、同社のブランド向上に大いに役立ったといえるだろう。

大塚 葉(おおつか・よう) 日経BP 日経BP総研 HR人材開発センター長
大塚 葉 日経BP入社後、「日経PCビギナーズ」発行人兼編集長、日経ビジネスオンライン、日経WOMANプロデューサー、日経BPコンサルティングカスタム出版本部第二部長などを経て現職。著書に『攻める周年事業で会社を強くする!』(日経BP)、『社史・周年史が会社を変える!』(日経BPコンサルティング)、『やりたい仕事で豊かに暮らす法』(WAVE出版)、『ミリオネーゼのコミュニケーション術』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など。

※筆者の会社名および役職は執筆当時のものです。