A Better Workstyle編集局発足後、職場ごとに働きがいを話し合う「職活(職場活性ワークショップ)」活動や、社内外で新しい分野にチャレンジできる「社外留職・社内複業」、社員本人と上司の対話の質と量を増やし一人ひとりの成長を後押しする「1on1ミーティング」などを施策として開始した。その中で制度化されたのが、「社内複業」と「社外留職」である。

 社内複業は、現部署の業務を継続しながら社内の別の部署で経験を積める制度。一人ひとりの新たな能力や可能性を発揮することで、今までにない自己成長の促進と、社内のCross Value創出が狙いだ。また社外留職は、別企業で業務を行うことのできる制度である。風土や価値観の異なる他社で、これまでにない知見や視点を身につけることにより、自社での今後の業務に生かすことができるようになる。

 社内複業には100件近い応募があり、また社外留職では5人の社員が受け入れ先企業での業務を開始している。社内複業、社外留職ともに、複業や留職を行う本人の育成はもちろん、本人の上司の理解や職場のサポートが必要になる。結果的に上司のマネジメント力も問われることになり、職場全体の風土改革が促される制度といえる。

 100周年事業の一つとしてパナソニックは、外部の人材、特に若者とパナソニックをつなぐ「共創の場」を創出するプロジェクトも行った。意欲的な外部の若者との交流から、「100年先の世界を豊かにする価値創造に挑む」をコアメッセージとし、新しいプロジェクトを生む拠点として、2017年7月に「未来をつくる実験区 渋谷100BANCH(ひゃくばんち)」を開設した(下写真)。学生やアクティブな若者、パナソニックファン層とのタッチポイントを創出し、次世代を担う人材の発掘や育成を目的とすることを狙いにしている。

未来をつくる実験区 渋谷100BANCH(ひゃくばんち)(パナソニック提供)

 このほかにもパナソニックは、社員がTPOにあわせてスーツ以外にもカジュアルな服装を選択できる活動など、様々な周年施策を進めてきた。社員一人ひとりの成長が、会社の成長につながる――。創業からの精神を、周年を機に改めて確認し、共有することに成功した事例といえるだろう。

大塚 葉(おおつか・よう) 日経BP 総合研究所 HR事業部 上席研究員
大塚 葉 日経BP入社後、「日経PCビギナーズ」発行人兼編集長、日経ビジネスオンライン、日経WOMANプロデューサー、日経BPコンサルティングカスタム出版本部第二部長などを経て現職。著書に『人材マネジメント革命~会社を変える〝カリスマ人事″たち~』『攻める周年事業で会社を強くする!』(いずれも日経BP)、『社史・周年史が会社を変える!』(日経BPコンサルティング)、『やりたい仕事で豊かに暮らす法』(WAVE出版)、『ミリオネーゼのコミュニケーション術』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など。

※筆者の会社名および役職は執筆当時のものです。