多様な英知を結集して100周年に向かう

 記念誌の重要なコンテンツの一つに「フォスター電機7つの決断」という記事がある。本社移転、東証一部上場、グローバル展開の加速など、この20年間に同社のビジネスを大きく躍進させた7つのターニングポイントを、関係者への取材をもとにまとめたものだ。海外も含め現場で働く社員たちの写真や座談会、メッセージなど、同社の多様な人材にフォーカスした記事も充実。サブタイトル「キラリ、次の輝きへ~The Next Stage of Our Beautiful Harmony~」のとおり、社員たちのハーモニーを感じさせるコンテンツが満載の記念誌となった。

 さらに付録として、フォスター電機のメーン製品である音響スピーカーに使われるコーン紙を記念誌の裏表紙に付けた。また、オーディオプレーヤーと同社ブランドのイヤフォンを付属したバージョンの記念誌も制作。オーディオプレーヤーには70周年記念式典の模様を収録してあり、イヤフォンで聴けるようになっている。「まさに、『音が出る周年誌』。これまでにないタイプの周年誌となりました。編集に携わった社員たちも、普段とは違うモノ作りの醍醐味を味わったと思います」と吉澤氏は周年事業を振り返る。

フォスター電機70周年記念誌「FOSTER 70th ANNIVERSARY BOOK」を手にする吉澤氏

 さらに吉澤氏は、ダイバーシティマネジメントの重要性についてこう指摘する。「当社も今では、社員、取引先ともに9割が外国人、そして海外です。今後は移民の受け入れも進み、男性だけでなく女性管理職も増えていくでしょう。企業もこれからは単一思考ではやっていけない。変わらなければいけないタイミングに来ています」。とはいえ「単に社内公用語を英語にするといった施策だけが良いとは思えません。モノ作りのきめ細かさ、行儀良さなど日本企業や日本人の持つ特性をベースにして海外に伝えながら、共生していくことが必要です」と語る。

 70周年記念誌の最終ページで吉澤氏は「Be Unique!」と題して、こう結んだ。「日本企業でありながら真のグローバル企業として、日本の中でユニークでキラリと光る存在はダイバーシティがそのベースになります。……多様なメンバーの英知を結集してフォスターの100周年を迎えましょう」。

大塚 葉(おおつか・よう) 日経BP 総合研究所 HR事業部 上席研究員
大塚 葉 日経BP入社後、「日経PCビギナーズ」発行人兼編集長、日経ビジネスオンライン、日経WOMANプロデューサー、日経BPコンサルティングカスタム出版本部第二部長などを経て現職。著書に『人材マネジメント革命~会社を変える〝カリスマ人事″たち~』『攻める周年事業で会社を強くする!』(いずれも日経BP)、『社史・周年史が会社を変える!』(日経BPコンサルティング)、『やりたい仕事で豊かに暮らす法』(WAVE出版)、『ミリオネーゼのコミュニケーション術』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など。

※筆者の会社名および役職は執筆当時のものです。