細川馨
ビジネスコーチ(株) 代表取締役

 世の中が目まぐるしいスピードで変化しています。そのような状況で、経営者や管理職の方が判断を一つ間違うだけで、企業が経営の危機に陥るということが往々にして起きています。リーダーがちょっとした選択を誤ったことで、企業の存続に大きな影響を及ぼす時代になっているのです。

 ずいぶん以前のことになりますが、ヒルズ族の象徴と言われた某IT企業のH氏は、野球球団の買収に手を挙げたり、選挙への出馬を表明するなど、世の中で大きな注目を浴びました。しかし、その後はみなさんのご存じのとおり、証券取引法違反の容疑で逮捕されました。

 彼はどのように企業を成長させていくのかということよりも、自社の株価を上げることだけに注力するようになり、経営者として必要なことが何なのかということについて考えなくなってしまったのです。

 もし彼がエグゼクティブ・コーチングを受ける機会があり、的確なアドバイスやフィードバックを受けていたのならば、このような事態は避けられたのではないかと思います。トップが変わらなければ、会社は変わりません。日本企業の経営者や管理職の方に、エグゼクティブ・コーチングが必要になっていることを痛感します。

 エグゼクティブ・コーチングとは、経営者や管理職の方々を対象にして、彼らが自身の行動変革をする手助けをすることです。今回から6回に分けて、優秀なリーダーだからこそ陥りやすい間違いなどの事例をご紹介しながら、エグゼクティブ・コーチングの手法を交えて、改善方法についてお話ししていきたいと思います。