役割目標によるマネジメントで成果を把握すると

 最後に「役割目標によるマネジメント」をみてみたいと思います。

 役割目標によるマネジメントは、期待される役割をいかに果たしたかを成果(業績)と定義します。本人に期待される役割は、(1)変化、前進、改善、改革といったような仕事、(2)売上・利益など数値化できる仕事、(3)部門業績に関わる仕事(部門業績責任者、部門業績に貢献するような仕事)、(4)定常・基本業務、(5)必須業務(はずすことが出来ない絶対必要な仕事)の5つに分けて考えられます。

 そしてこれらを、その特性に応じた捉え方をします。目標管理が得意とする性格のものは個人目標で捉え、部門業績は部門目標として捉え、目標管理が不得意とする分野はしっかり役割期待を設けてこれで捉えることにします。先の5つを当てはめると、個人目標で捉えることが適切と思われるものは(1)と(2)、部門目標として捉えることが適切なものは(3)、役割期待で捉えるのは(4)と(5)です。

 このように役割の特性に応じて個人目標、部門目標、役割期待で成果(業績)を捉えます。しかしこれらのルーツは同じであるので、運用の仕方も同じにします。すなわち「やることの確認」「やっていることの確認」「やったことの確認」のサイクルをしっかり回すのです。その目的は「見える化」を図ることです。

 「役割目標によるマネジメント」は、成果(業績)を捉える場合の4つのポイントはすべてクリアーされています。

  1. 本人の仕事を漏れなくカバーしているか
    本人の仕事をその特性に応じて個人目標、部門目標、役割期待で捉えるようにして、漏れなくカバーするようにしています。
  2. 見える化
    個人目標、部門目標、役割期待をそれぞれ「やることの確認」「やっていることの確認」「やったことの確認」のサイクルを回すことで、「見える化」を図っています。
  3. 部門業績を明確に意識しているか
    部門業績として捉えることが適切なものは「部門目標」として捉えるようにしています。
  4. 目標管理はその特性に合った活用がされているか
    個人目標で捉えることが適切と思われるものは変化、前進、改善、改革といったような仕事と売上・利益など数値化できる仕事に純化させ、部門業績に関する目標、維持目標が個人目標に混在することは避けています。

 いかがでしたでしょうか。今、成果主義、役割主義、能力主義といった人事制度で行っている企業・組織がほとんどです。しかし、これまでみたように、成果の把握においてもいろいろと問題があります。これからは「役割目標によるマネジメント」の考え方、仕組みで人事制度、評価制度を行っていくことが必要ではないかと思います。