植田寿乃
キャリアコンサルタント/ダイバーシティコンサルタント

短期育児休業を2週間取得した資生堂の男性管理職

 2009年6月に開催した第26回女性と組織の活性化研究会では、資生堂の人事部ダイバーシティ推進グループで当時、参事だった男性が事例発表を行いました。資生堂は女性が全社員の8割を占めており、女性活躍の先端を行く企業として、女性が働きやすい環境作りが、ワークライフバランスという枠組みのなかで自然な形で推進されていることがよく知られています。もちろん参加メンバーにはたいへん参考になりました。しかしそれよりも、40歳で管理職である彼自身が、第二子の出産で妻の留守中に長男の面倒をみるために短期育児休業を2週間取得したという話のほうが注目をひきました。

 次世代育成支援対策推進法に基づく厚生労働省の次世代育成支援認定マークである「くるみん」欲しさに、人事部の男性に無理やり1日だけ育児休暇を取らせました、というのが多くの企業の実態です。男性の育児休暇取得が推進されているとは、とてもいえないのが現実だからです。

 「最初は2週間休むのが怖かったですよ。仕事とかどうなるだろうとか。いろいろ考えてしまって。でも休んで本当に良かった。子供との時間の大切さ、妻の育児の大変さ、いろいろなことがわかった。そして家族との絆は深まりました。働く上でもそれはとても私にとって重要です。今は周りの男性たちにも、どんどん育児休暇の取得を進めています」

 熱く語る本気度に、9割の参加メンバーの女性達が大きな拍手をしたのと、彼と同世代の30代後半の既婚の男性が、大きくうなずいていたのを思い出します。

 とはいえ、育児休暇を男性自身が取りたいと感じているのか、周りにそのような男性もいないので、聞くすべもなく時間が過ぎていきました。