環境は逆風-顧客のニーズが見えにくい時代に突入した

 営業とは、顧客のニーズを聞き、それを満たす提案をして受注することです。しかしながら、リーマンショック以降、営業の環境は一変し、以前のように簡単に注文が取れなくなりました。それは「購買の予算が減った」ことだけが理由ではありません。

 「昨年の秋から今年の年初にかけては最悪でしたが、この春から夏以降は商談案件が徐々に増えてきました」と話す営業パーソンが多くなっています。しかし売上はまだ低迷したままです。商談案件が増えているのに、なぜ売上が上がらないのか。それを聞くと「なかなか決まらないのです」という答えが返ってきます。つまり、顧客の検討期間が長くなっているのです。顧客は購買に対して慎重になっています。

 また、最近「顧客のニーズがわからない」という営業パーソンの悩みをよく聞きます。顧客は自社のビジネスモデルやマーケティングに迷い、経営にも不安を感じています。そのために自社のニーズが不明確になっているのです。「営業が顧客のニーズを聞けない」という裏には、「顧客自身、自社のニーズがわからない」という背景があります。それも検討期間が長期化している要因です。

 たとえば、商品を仕入れるバイヤーはこのデフレがどうなるのか読めません。したがってメーカーの営業に対してはっきりとした商品戦略を伝えることができないのです。営業はそれを聞き出そうとしても、うまくいかず、そのために「あのバイヤーは本音を話してくれないなあ」と思ってしまいます。しかし、実際はそうではなく、バイヤーの本音は自身も迷っていて「伝えたくても伝えられない」のです。