"仕掛ける営業"の研修事例その1「上流に食い込め」。

 実践的な営業研修は"仕掛ける営業"の有効なトリガーになり得ます。研修をデザインする際に、どのような切り口が考えられるでしょうか。それは業種や企業によって様々です。一つのパッケージとしてまとめることは困難ですが、ここでは実例をご紹介しましょう。

 情報システム会社A社の営業部門では「上流へ」が合言葉です。商談案件が発生してから出ていったのでは遅い。競合他社と並んで見積もり競争をさせられるだけだ...。「上流へ」とはニーズの発生源に近づくことを意味します。顧客の情報システム部は経営ニーズを受けて動いています。情報システム部を動かしているのは経営者や経営企画部です。営業としてはそこにタッチしたい。しかし電話でアポを取ろうとしても、簡単には会ってくれません。面談してもらうには、顧客の経営層に何らかの面談動機を与えなければならない。それにふさわしいテーマは何かと考えます。

 A社の研修では、顧客が競争に勝ち抜くための戦略、顧客のカスタマーサティスファクション施策、顧客の地域社会でのあり方など、様々な仮説が立てられました。大切なのは、経営戦略やマーケティングの勉強で終わらないで、実際に仮説を顧客に持ちかけることです。参加した営業パーソンは生き生きとした表情でした。自分が企図したことを仕掛けることは、間違いなく「おもしろい仕事」なのです。