現場の声を吸い上げ、上下の対流を起す

 現場の知恵を共有する場を、会社の中にたくさん作っていくことも重要です。若いからと言って発言権がなかったり、現場の上司の顔をうかがいながら仕事をしていたりするようでは、主体的な行動は促進されません。

 私が若手社員向けのキャリア研修の中でも、特に印象的なのは、経営陣や人事担当者の方をゲストにお招きして、組織のあるべき姿や会社の取るべき戦略について受講生が提言するセッションです。漠然とした自分たちのキャリアへの不安を、ざっくばらんにぶつけることもありますし、時には組織内の課題が浮き彫りになることもあります。

 しかし、このように本音で語り合うことで、組織内の上下に理想的な対話の対流が起こるのです。現場で感じている生の課題を真摯に受け止めて、施策に活かしてくださる役員の方もいらっしゃいますし、経営レベルで考えている施策の現場への説明と情報発信の場にしてくださる方もいらっしゃいます。

 ただし残念なことに、このセッションを快く引き受けてくださる役員や人事の担当者の方がどの会社にもいらっしゃる訳ではありません。下手をすると、質問攻めになったり、会社への不満を一手に引き受けなければならなったりする可能性もあるからです。本音でぶつかり合えば、当然エネルギーも要りますが、自社の大先輩が本気で関わってくれる姿勢は、きっと若手社員にとって、主体的に組織に貢献していこうという情熱に火をつけることになると思います。