キャリア自立に必要なキャリアと精神面での支援

 キャリアを「仕事や周囲とのかかわりを通した成長」と定義した場合、20代の若手社員の課題にフィットしたキャリア支援のあり方はどのようなものだろうか。20代は、目の前の仕事に一生懸命打ち込み、求められる以上の成果を出すことで、「自分にしか出せない」仕事の価値を生み出す方法を習得する時期である。そうすることで初めて、周囲からも認められ始め、30代になったときに、自分がどの領域でプロフェッショナルとして専門性や実績を積みたいかの意思が明確になってくるのだ。20代の頃に、将来のキャリア展望がはっきりと見えないのは当然として、それが見えるまでの過程で、将来の成長につながる仕事の仕方ができるよう支援する必要がある。

 したがって、上司のかかわりとしては、(1)仕事の意味や意義を伝える、もしくはともに考える、(2)1つ上の目標を持たせて自分で乗り越えさせる、(3)多様なネットワークを通して成長できるようにする、ことが大切になる。

仕事の意味や意義を考えさせる

 今の自分に与えられている仕事の意味が意義を、自ら定義できるよう支援することが重要である。経理の仕事の目的は、経理処理をすることだけではない。営業チームの仕事の目的は、売上数値を上げることだけではない。どのようにその仕事に自分はかかわりたいと思うのか、自分なりの軸や信念を確立することが主体的な行動につながる。一度、その軸を確立できたら、異動や配置転換で業務内容が変わったり、役割が変化したりしても、再び自分で軸を設定できるようになる。

 また、周囲から見て、本人の強みや伸ばして欲しいポイントはどこにあるか、フィードバックしていくことも重要である。20代の時期は、えてして自分の評価が限定的であったり、独りよがりの自己イメージを抱いていたりすることが多い。もっとこんなこともできるのではないか、こんなことも期待したい、というメッセージを本人に届けることも、上司の役目として重要なことである。