学習目標を立てて、自分の力で乗り越えさせる!

 本人のキャリア支援という観点で言うと、主体性を持たせるために「本人がやりたがる仕事、興味を持って取り組みそうなテーマをアサイン」したくなってしまうこともあるだろうと思う。しかし、本人のレベルに合わせて寄り添うだけでは、本人は現状で満足してしまい、チャレンジしなくなってしまう。

 ドゥエックという学者の実験がある。子供たちを2つのグループに分けて、1つ目のグループには本人たちのレベルからすると簡単に解けそうなやさしい問題を与えて、自信をつけさせる。もう一方のグループには、本人たちのレベルからするとちょっと難しそうな問題を与えて、失敗した時に「それは努力が足りなかったからだ」とフィードバックを与える。一定期間の後、ある時一気にレベルを上げた難題を、両方のグループに課す。結果どうなっただろうか?前者のグループは、失敗慣れしてないためにひどく落ち込み、やる気を失い、後者のグループは、失敗したのは「努力が足りなかったのだ」と考え、やる気を失わなかった、という結果になったそうである。興味深く、示唆深い研究だと思う(参考文献:企業内人材育成入門/ダイヤモンド社)。

 失敗した時に「運が悪かったね」「なんとかなるさ」という励ましは、本人の成長にはあまりならない。うまくいかなかったのはどういう点で、どう直せばよいのか、具体的な行動修正ポイントを一緒に振り返る習慣がとても大切である。そして、本人がステップアップするために、少し上の目標を掲げて、具体的に取り組むように支援しよう。