多様なネットワークが若手を育てる

 仕事を通しての成長は、一人では完結し得ない。他者とのかかわりが不可欠である。しかも、自分と部下という1対1の閉ざされた関係で完結してしまわないことも重要である。職場で本人がタテにもヨコにもナナメにも、縦横無尽にネットワークを構築して、多様な人とのかかわりで成長できるよう支援していこう。

 20代の社員が抱える悩みや課題は、上司が直接介入するよりも、2,3年先を歩いている先輩社員の立場からの方が適切なアドバイスになることも多い、という認識を持つことをお勧めする。本人と年齢や経験にどれくらい差があるかによるが、あまり差があると、「自分はこうやってきた」というアドバイスは、環境や状況があまりに変りすぎていて時代遅れであったり、本人のニーズに合ってなかったり、と参考にならない可能性もある。

 それと比較すると、同じような悩みを最近乗り越えたばかりの身近な先輩の話の方が、よっぽど参考になるのである。したがって、「私の部下」「オレの部下」というように所有意識を持たないようにしよう。時々、自分のメンバーに対する他部署からのかかわりを、おせっかいや干渉と捉えて、嫌がる上司がいる。しかし、「隣の部署の部長から、教えてもらっておいで」くらいのおおらかな考え方で、本人が上司の目を気にせず周囲にかかわれるような雰囲気作りをしてことが重要であると思う。

 上司からの支援が不要という意味ではなく、部下に対し、ネットワーク含めて本人が自分の力だけでは獲得できない成長のためのリソースを手に入れられる環境を作ってあげることは、逆に上司にしかできない支援であると考えよう。