シニア層にとってのキャリアデザイン

 同時に世代を超えたシニア層というとらえ方によるキャリア開発課題を探ることも重要になる。ここでは特定の時代におけるシニア世代という視点を超えた、いつの時代にあっても重要となるであろうシニア層としてのキャリア開発課題を探ってみたい。

 私は常々「自分らしいキャリア」を歩むためには、キャリアデザイン・ライフデザイン・ファイナンシャルデザインの3要素のつながりが重要と考えている(図2参照)。

 そもそも「自分らしいキャリア」を歩むためには、しっかりとした内の軸に基づく価値観や仕事へのやりがい・充実感が必要だ。しかし、現実にはそれだけではキャリアは充実しない。現実の世界に生きる我々には生活の糧を得るという報酬の要素も、また人によっては社会的名声や社会貢献価値・社会的存在感なども必要だろう。それらがすべてつながって全体の調和がとれたときに初めて「自分らしいキャリア」を実感できるのではないだろうか。

 最近の考え方は、要素を分解してその要素のことだけを考え、要素間のプラスマイナスでバランスをとるという考え方が根強い。あるいはワークライフバランスの議論に代表されるように、一対一のシーソーバランスをとるという考え方も同様である。しかし、ことさらキャリアを考えるときには、複数の要素全体に対して少し長めの時間軸でとらえた全体調和の視点が重要となるだろう。