キャリア・トランジション・サイクル・モデル

 キャリアは時間の経過とともにキャリア資産を蓄積し、価値観をより強固なしっかりしたものへ進化させ、さらに大きな役割を担いながら、さらに新たなキャリアを構築していくサイクルである。

 キャリア資産を活かしながらキャリア開発を進めるときに参考になるキャリア・トランジション・サイクル・モデルという考え方がある。キャリア・トランジション・サイクル・モデル自体はいくつもの考え方があるが、そのなかで神戸大学の金井壽宏教授のモデルを紹介したい。日ごろから私が考えていることに最も近いモデルだ(図2参照)。

 このキャリア・トランジション・サイクル・モデルを簡単にご紹介しよう。

  • (1) キャリアアンカーを意識しながら自分のキャリアのベクトル持つ
  • (2) 色々な変化や選択の場面では自覚的にキャリアをデザインする
  • (3) デザインしたら一歩を踏み出し、少しは我慢しながら、がんばって行動する
  • (4) 行動し続けながら、場合によってはドリフトしたり、偶然の変化も活かしてみる
  • (5) (1)から(4)のサイクルを継続的に回していく

 このなかでシニア層にとって特に重要なポイントは、(2)の「節目だけはキャリアデザインする」と、(3)の「アクションをとる」であろう。なぜならば、今までのキャリアで自覚的にキャリア選択をしてこなかったシニア層は、放っておけば組織にドリフトされ、自覚的に選択した自らの主張もアクションしないままに終わってしまうからだ。