自律的にシナジーを生み出す組織を作る

 しかし、ここで一つの問題が浮かび上がります。それは、組織のメンバー同士が、それぞれに異なる価値観を調和させシナジーを生み出したとしても、そのようなランダムな化学反応では、組織のビジョンの実現に向けた進歩をマネジメントできないのではないかという問題です。

 この問題に対する一つの解決策は、リーダーがメンバー個々人の価値観と自分自身の価値観を常に調和させようとする努力を行うことです。それによって、調和の方向性をリーダーの価値観が向かう方向性に合わせることが可能になります。前回にも述べたとおり、組織のビジョンはリーダーの価値観に基づくものであるため、リーダーとメンバーの価値観の調和を図ることによって、シナジーをビジョンの方角に向かわせることが可能になります。

 しかし、さらにもう一つの問題が存在します。リーダーの率いる組織がごく少人数であれば、この調和の作業を一人ひとりと行うことも可能ですが、ある程度の人数を超えると、現実的な方法ではなくなるということです。それは時間的、物理的に難しいだけではなく、人数が増えれば調和した価値観同士がさらに矛盾を来すことによって、リーダーが葛藤状態に陥ってしまうためです。

 したがって、リーダーは別の方法を採用しなければなりません。それは、組織の「共有価値観」を作るという方法です。