「おやじ」の「評価の目的」

 では、話を「評価を行う目的」に戻しましょう。「評価を行う目的」としては、主に次のようなものが考えられます。

   (1) 人事処遇のため
   (2) 能力開発のため
   (3) 価値観浸透のため
   (4) モラールアップのため
   (5) 業績向上のため

 「中小企業のおやじ」の評価は、賞与や昇給を決めるための評価でした。つまり「人事処遇のため」の評価でした。評価の原型では「人事処遇のため」という目的が重視されるようです。

 「人事処遇のため」という目的を重視すると、評価に次のような内容が求められます。

  (1) 時間をかけないで評価することができる
  (2) しかも評価結果に公平性があり、誰もが納得できる

 この二つは、評価の理想的な形ではありますが、二律背反のところがあります。公平で誰もが納得できる評価をしようと思えば、評価に手間や時間をかける必要があります。

 時間をかけないで、公平な評価を行うことはなかなか難しいことです。このような評価ができるのは、先程お話した「眼識確かな 中小企業のおやじ」ぐらいではないでしょうか。20~30人程度であれば「おやじ」の目が届き、誰がどのように働いたかはよく分かります。一人で評価するので、評価のモノサシは一つです。複数の評価者が評価するときのような、評価者による甘辛は生じません。そして手間をかけないで、A君は80点、B君は85点と仕事の結果と働きぶりをみながら総合評価すればよいのです。眼識確かな「おやじ」ですから、その評価に従業員は納得します。