複数で行う、手間もかかる人事評価のメリットは?

 複数の評価者が評価するとなると、評価は複雑になり、面倒なことになるのですが、逆にメリットも出てきます。「人事処遇」以外の部分、すなわち能力開発、価値観浸透、モラールアップ、業績向上といった「評価の目的」がクローズアップされるというメリットが出てくるのです。多くの企業では評価そのものだけでなく、むしろ能力開発、価値観浸透、モラールアップ、業績向上という目的を重視して、評価制度を整備し、評価に時間をかけ、評価者研修をしっかり行うようになっているのです。

目標管理を人事評価にドッキングさせることの問題点

 多くの企業では目標管理を人事評価とドッキングさせています。これは人事評価の目的を人事処遇だけでなく、能力開発、価値観浸透、モラールアップ、業績向上に置いていることと関係があります。目標管理はセルフコントロールのもと、能力開発、価値観浸透、モラールアップ、業績向上などを目的に行われています。人事評価の目的を人事処遇だけでなく、能力開発、価値観浸透、モラールアップ、業績向上に進化させることによって、目標管理と人事評価のドッキングもスムーズにできるようになりました。そのかわり次のような問題点も生じるようになりました。

  1. 目標管理は、目標の設定、目標設定面接、中間時面接、目標達成度の自己評価、上司評価、フィードバックなど手間のかかる制度です。目標管理を人事評価にドッキングさせた結果、人事評価も手間がかかるようになりました。
  2. 目標管理はセルフコントロールという考えもあり、目標のレベルや内容の公平性には、若干目をつぶらざるを得ないところがあります。そのため目標管理をドッキングした人事評価は公平性がやや欠けるようになり、誰もが納得できる制度という観点からは後退せざるを得ないようになりました。