では、この三つの状態について説明しましょう。

(1) 変化している
 企業および部門を取り囲む外部の環境は、刻々と変化しています。変化のスピードは年々早まっています。これに対応して企業および部門は自ら変化することの必要性を認識し、変化を実現していくことが求められています。活性化している組織の一つの状態としては、「変化している」ことが上げられます。逆に「変化していない組織」はよどんでおり、不活性な状態であるといえます。いわゆる「ぬるま湯」がこれに当たります。

 管理職には、組織活性化を推進する者としての役割があります。「変化させる」ことを推進するためには、必要な情報を感度よく収集・分析し、問題を発掘して、課題形成を行い、的確で機会損失のない部門計画を策定し、これを実現していく行動が求められます。

(2) やる気に満ち溢れている
 部門の構成員がやる気に満ち溢れている状態も「組織活性化」の一つの表れとみることができます。活性化している組織は、やる気に満ち溢れています。  それでは「やる気」はどんな要因から生じるのでしょうか。この答えは、ハーズバーグの「動機づけ要因」から見出すことができます。「職務の内容」「目標の達成」「達成の評価」などです。このように考えると、やる気が起こる要因としては「自分が行ったことが公正に評価される」「自己実現の欲求が満たされる」ことが挙げられます。

 部下の「自分が行ったことが公正に評価された」という実感は、管理職が「部下の評価を公正に行う」ことによって得られます。「部下を公正に評価すること」は、組織活性化推進者として管理職が行うべき重要な役割です。管理職の役割は、部門業績責任者と部門活性化推進者なので、「部下を公正に評価すること」は管理職の本源的な役割です。

 「自己実現の欲求」とは、マズローの5段階欲求説の一番上位に位置づけられている欲求です。これは自分が何をできるかを確かめ、その限界を広げ、自己を実現する欲求です。つまり自分のやりたい仕事ができる、それを達成する、そのことを通じて自分がもう一回り大きくなったことが実感できる。このような自己実現を実感することが、やる気につながります。このやる気は本人の「内発的動機づけ」とも連動しています。

 自己実現は、自分がもう一回り大きくなることを実感するものであり、自分を高め、自分の能力を開発することです。「部下の自己実現の欲求を満たす」ために管理職が行う行動は、具体的には「部下を育成する」ことになります。

(3) コミュニケーションがよい
 組織が活性化している現象として、最後に挙げられるのは「組織内のコミュニケーションがよい」状態です。恐怖政治を敷き、「もの言えば唇寒し」という状態では、活性化している組織とはいえません。風通しがよく、何でも議論でき、自由闊達な組織風土になっていることが、活性化している組織の条件であるといえます。

 「コミュニケーションがよい」状況では、管理職の行動に「適切な指示・連絡・会議」「部下・上司との円滑なコミュニケーション」「他部門との連携・調整」が頻繁に起こります。