評価者研修は、会社が行う他の研修とは違うことを認識する

 評価者研修は、知識の修得(例えば人事評価に関する知識の修得)という点に関しては他の研修と同じです。しかし、評価者研修は他の研修と違うところがあります。この違いを十分理解して、社内講師は評価者研修に臨むことが必要です。

(1) 評価者研修は、会社の価値観、判断の基準を伝える研修である
 人事評価は、会社の経営理念・大切にしたい価値観を社員に浸透させるものです。評価者研修は、会社の価値観、判断の基準を伝える重要な研修です。そのためには次のことに留意することが必要です。

  1. 説明にブレがないことが必要
    数グループに分けて研修を行う場合、グループによって説明が少しであっても違うことは、評価者研修ではあってはならないことです。これが評価者研修と他の研修と違うところです。

    例えば管理職研修であれば、いろいろな意見や考えが参加者から出ますが「その考えはよいですね」とか「なるほど、そういう考えもありますね」といった感じで、参加者から出された意見や考えの多様性を認めることが可能です。管理職研修であれば、それでよいのですが、評価者研修では、参加者の意見や考えの多様性は、それを聞いても、その場で認めてはならないのです。

    評価者研修は、会社の判断や考えを参加者によく理解してもらうことに目的があります。会社の判断や考えに基づいて評価するわけですから、会社の判断や考えにブレがあってはならないのです。社内講師が説明する場合もブレのないようにする必要があります。

  2. 事前に会社の判断を確認しておく
    上記と関連しますが、社内講師が判断に迷うような点に関しては事前に、会社に判断や考えを確認しておくことが必要です。参加者は「私はこう思う」というような社内講師個人の考えを期待しているのではなく、会社の判断や考えを期待しているのです。

    職務行動の選択でグレーゾーンがあります。グレーゾーンについては会社の判断や考えをしっかり伝えることが必要です。グレーゾーンについて演習で行うことがありますが、その場合は、事前に演習問題を会社のトップ層に示して判断や考えを固め、会社としての答えを出しておくことが必要です。