一方、歩合給はどうか。例えばタクシーの運転手を想像してください。賃金と稼ぎ高はほぼ一致しています。ここでは昇給は前提としていないので若くして賃金は多くなります。

ここで議論しているのは歩合給ではなく、初任給から始まる一般の社員ですから、昇給は是非必要であることは理解できると思います。

中途採用ができない

 昇給ストップまたは昇給率が僅少ということを永年続けていると、その企業の賃金水準は下がります。10年前入社の社員は30歳で30万円の賃金であったのが、今年入社した社員が30歳になったときは30万円の賃金に到達しないということです。

 賃金というものは社会性があります。30歳の社員を採用しようと思えば、30歳の社会相場の賃金で募集する必要があります。こうして採用した社員D君の賃金がその企業で継続して働いた30歳のC君と比べて高ければ、当然C君は不満を感じ、組織はギクシャクしてきます。結局世間相場と乖離した賃金水準では、中途採用がうまくできないということになります。そういう意味でも世間水準を意識した昇給は行う必要があるわけです。