人件費は総額でとらえる

 人件費としてすぐ思い浮かぶものは毎月の賃金、期ごとに支給される賞与です。しかし、企業の中で発生する人件費はこれだけではありません。退職金の積立、通勤手当、法定福利費、福利厚生費等も人件費といえます。総額人件費というのはこれら人件費をすべて含めて総額で管理していこうというものです。

 総額人件費は、採用から始まって、配置・昇進昇格・異動などの人事管理施策、能力開発、安全衛生、福利厚生、就業管理、退職管理など、企業におけるすべての人事労務管理活動の結果が集約されたものです。総額人件費は次のような構成になります。

 総額人件費管理は、事前に人件費の総枠(パイの大きさ)を決めて管理していくというものです。期が終わって人件費となる費目を集計すればこうなりましたという事後集計・結果管理ではないということは理解してください。

 管理はPDCAのサイクルを回します。総額人件費管理も総額人件費のトータルを経営戦略や経営計画(付加価値経営計画)と連動させ、事前に計画し、期末に実績が出れば計画と比べてどこに差異が生じたかをチェックして次の計画につなげていくというものです。そういう意味で総額人件費管理は、経営管理と人事管理を結びつけるものであるということができます。