植田寿乃
キャリアコンサルタント/ダイバーシティコンサルタント

うちの女性たちは楽しそうにやっていますよ!

 「うちの女性たちは『仕事は慣れているから楽だし、制度も整っているから居心地いい』なんて言っていますね。」
 「彼女たちは今のまま働き続けられて給料をもらえたら、それで幸せなんじゃないのかな~」  「面談でも『特にやりたいことはありません、今のままで満足です』とうちの部下たちは言っていますよ。やりたいことがあると言われても困りますがね~、ははは」
 「そうそう、女性は定例的な仕事をしているほうが安心でいいのですよ。彼女たちは自分に何が向いているかをちゃんと分かっているんです」
 「慣れている仕事を取り上げられるのを拒みますし、異動とかもしたがらないし」
 「世の中の女性活躍推進っていうのは、私たちの会社には関係ありませんな」
 「まったく同意見です。女性は女性に向いている仕事をさせてやるのが一番いいんですよ」
 「植田さんの話は、私たちの会社にはちょっとね。失礼ですが、ぴんとこないですな」
 「そうそう、東京とかなら事情も違うんでしょうが、ここ名古屋では女性活躍推進を始めようなんて話は、まだまだ聞きませんしね」
 「まあ、名古屋は、ちょっと違いますからな、ははは」

 これは2年前に名古屋地域で100人の秘書室長に向けて女性活躍推進に関して講演した後の、懇親会での会話です。聞いたとき、私はがく然としたのを今でも覚えています。2007年といえば、世の中で女性活躍推進やダイバシティーが注目され始め、それに取り組む企業も大企業だけでなくなっていた頃でした。

 確かに東京地域での公開セミナーや企業講演での反応と、大阪など関西地域での反応には差がありました。しかしながら、これほどまでに女性活躍推進に対して、消極的というより、拒絶的な反応を体感したことはありませんでした。

 2年前と言えば自動車産業の黄金時代です。名古屋地域はその中でも、飛ぶ鳥を落とす勢いで成長していました。自分たちの会社のやり方に対し、変革の必要性を感じている企業が少なかったのは確かです。

 しかしながら、秘書室長といえば、部下のほとんどは女性のはずです。彼らの下で働く女性たちは、本当はどんな気持ちでいるのでしょう?あれから2年経った今、彼らが女性活躍推進の重要性に気付き、実践してくださっていることを祈ります。

 でも、今でも彼らと同じような考えをもっている男性管理職や経営者は少なくないのではないでしょうか。