また、上司たちオールドキャリア世代の軍隊型リーダーシップや体育会系のコミュニケーションは、今の組織では通用しない、うまく機能しないと感じています。でも今いる後輩や部下に対してどう接したらいいのかはわからず、路頭に迷っている状態です。さらに彼らの世代も、ITコミュニケーションがリアルコミュニケーションよりも浸透しているため、言いにくいこと(たとえば、しかる、注意をするなど)はメールで処理する傾向が強く、リアルなコミュニケーションは苦手です。それが、部下やチームを持ちたくない理由の一つでもあります。そして、会社に対する帰属意識はオールドキャリア世代に比べて低く、40歳になる前に、自分の可能性や未来の姿を描けるかどうかで天秤にかけながら転職先を探し、良い会社が見つかれば、さっさと今の会社に見切りをつけていく可能性はけっして低くありません。

アイデンティティを見失った役職定年世代

 そして、もう一つ忘れてはいけないのが、企業でここ5年ほどで着実に増えている50代後半のモチベーション低下問題です。私は3年前から、55歳前後の役職定年を迎えた人たちへのモチベーション再構築研修というのを依頼されています。これは、一時期行われた、定年後のファイナンシャルプランを中心とした老後設計のための研修とは全く違う内容です。

 退職金が減額され、公的年金の支給時期が遅くなっている現在では、65歳まで、70歳までと、元気のうちはずっと働くのが当たり前の時代に突入しています。悠々自適という言葉は死語になりつつあるのです。個人の生活のためにも、企業の労働力としても働き続けることが望まれています。