しかしながら、55歳を超えた社員がのモチベーションは、確実に下がっています。特に役職定年を迎えると、かつての自分の部下が上司になることも当たり前になってきました。その結果、過去の自分のキャリアとプライドに固執し、心を閉じてしまう人も多くいます。モチベーションが下がった状態でいれば、マイナスの影響を会社に振りまくことになります。私は55歳を超えたこの世代の人たちは、人生の師匠、メンターになるのが素晴らしいのではと考えています。彼らがメンターとして後進の育成に注力すれば、自分自身の経験が何倍にも活かされ、会社に大きく貢献することになるでしょう。年功序列で安定しており、多額の退職金をもらえたオールドキャリア時代をただ「昔は良かった」と懐かしがり、現状を憂いていたりするだけでは、前進することはできません。

 流動的で未来が見えにくい変化の時代、会社で働く多くの人が、迷い悩んでいます。自分自身で人生を考えなくても会社が幸せにしてくれたオールドキャリア時代を、私たち全員が卒業していかなくてはならないのです。

 次回は企業と個人の理想的な関係について考えてみようと思います。

植田 寿乃(うえだ・ひさの) キャリアコンサルタント/ダイバーシティコンサルタント
植田 寿乃

 IT業界の人材育成を目的に有限会社キューを設立。その後、人材開発業界に転身。「モチベーション・リーダーシップ」「経営陣、管理職の人間力アップ」「女性と組織の活性化」「メンター育成」に取り組み、各種オリジナルカリキュラムを開発し、研修・講演を実施。著書に『「女性を活かす」会社の法則』『キャリアセレブになる36の秘訣』『30歳からの幸せなキャリアの見つけ方』など。

※筆者の会社名および役職は執筆当時のものです。