その上で重要なのが、互いの共鳴です。それぞれが互いの価値観を理解し、相互に尊重い合っていることが、共鳴の基本となります。この考え方でなければダメだとかというように一色に染めるのではなく、多様なものを認める。それこそが、ダイバシティーの基本精神です。

 そして、互いに尊重し合った上で、しっかりコミュニケーションがとれていることが必要です。コミュニケーションという言葉は意思伝達、情報(感情、意思、思考、知識)の共有というふうにシンプルに理解されていますが、もっと深い意味を持ちます。

 コミュニケーションは、メッセージを共有するだけで、終わるものではないはずです。必ず、それぞれの感情や思考、行動などに様々な影響を及ぼします。つまり、共有しながら何かを生み出し、変化していくことが、コミュニケーションです。そのコミュニケーションが活発になればなるほど、いろいろなものが生み出されていくはずです。そして、コミュニケーションにより、いっそう深まっていく信頼関係で一人ひとりが結びついている状態、それがまさに共鳴の状態です。一人ひとりが活き活き輝きながら、チーム、組織としては固い絆で結びつき、エネルギーに満ちあふれている状態。それが自立と共鳴を実現した組織なのです。

 そんな組織を作るために一番重要なことは、実は経営者や管理職のあり方です。次回はそれについて考えます。

植田 寿乃(うえだ・ひさの) キャリアコンサルタント/ダイバーシティコンサルタント
植田 寿乃

 IT業界の人材育成を目的に有限会社キューを設立。その後、人材開発業界に転身。「モチベーション・リーダーシップ」「経営陣、管理職の人間力アップ」「女性と組織の活性化」「メンター育成」に取り組み、各種オリジナルカリキュラムを開発し、研修・講演を実施。著書に『「女性を活かす」会社の法則』『キャリアセレブになる36の秘訣』『30歳からの幸せなキャリアの見つけ方』など。

※筆者の会社名および役職は執筆当時のものです。