人間力リーダー=モチベーション・リーダーを目指して

 人間力をうまく発揮しているリーダーとは、どんなリーダーなのでしょうか?私は理想的な人間力リーダーになるためには、2つの重要なポイントがあると考えています。

 1つは自分のモチベーションをコントロールすることです。リーダー自身が、活き活きとし、モチベーションが高い状態であることは、組織にとって部下にとって非常に重要です。ただし、いつもモチベーション80%以上にしようと、無理やりテンション(一時的な体の興奮状態)を上げて、カラ元気を出せと言いたいわけではありません。もちろん高いモチベーションを維持することも大切ですが、誰だってモチベーションがガクンと下がることはあります。私自身、青天のへきれきで、目の前が真っ暗になったことが何度もあります。大事なのは、モチベーションがいったんゼロになってもかまわないから、そこから自分自身で復活させていくことができるかどうかです。

もう1つのポイントは、部下などの周りの人のモチベーションをサポートすることです。モチベーションの高い部下にもっと頑張ってもらうことも大切ですが、実はこれは簡単です。放っておいても本人が頑張るからです。

 問題は、モチベーションが下がってしまった部下に対するサポートです。モチベーションの低い人の心を受容・共感し、その心の復活をサポートできるかどうか、が本当に重要なのです。

 今、働く人の中で心の病にかかる比率が増えています。私の友人である精神科医は、病気になる前に本人が出す無言の苦しいサインを、家族はもとより、一緒に仕事をしている上司や先輩が気づき、サポートしたり、コミュニケーションをとったりすることができれば、病気になる人は減ると語ってくれました。落ち込んだ状態の部下こそが、救いの手を求めているのです。

 自分自身が活き活きし、部下も活き活きさせられるリーダーこそが、今求められている「人間力リーダー」です。私はそれを「モチベーション・リーダー」と定義しています。次回は、そのために絶対に変身していただかなければならない、モチベーション・ストッパーについて触れてみたいと思います。

植田 寿乃(うえだ・ひさの) キャリアコンサルタント/ダイバーシティコンサルタント
植田 寿乃

 IT業界の人材育成を目的に有限会社キューを設立。その後、人材開発業界に転身。「モチベーション・リーダーシップ」「経営陣、管理職の人間力アップ」「女性と組織の活性化」「メンター育成」に取り組み、各種オリジナルカリキュラムを開発し、研修・講演を実施。著書に『「女性を活かす」会社の法則』『キャリアセレブになる36の秘訣』『30歳からの幸せなキャリアの見つけ方』など。

※筆者の会社名および役職は執筆当時のものです。