よくある成功したリーダーの悪い癖

 「良いリーダー」の定義を話しましたが、次に成功したリーダーだからこそ陥りやすい癖について解説します。マーシャル・ゴールドスミス氏は、成功したリーダーが陥りやすい20の悪い癖を指摘しています。これらが、職場に悪い影響を与えているのです。次のとおりです。

  1. 極度の負けず嫌い
  2. 何かひとこと価値を付け加えようとする
  3. 善し悪しの判断を下す
  4. 人を傷つける破壊的なコメントをする
  5. 「いや」「しかし」「でも」で話を始める
  6. 自分がいかに賢いかを話す
  7. 腹を立てている時に話す
  8. 否定、もしくは「うまくいくわけないよ。その理由はね」と言う
  9. 情報を教えない
  10. きちんと他人を認めない
  11. 他人の手柄を横取りする
  12. 言い訳をする
  13. 過去にしがみつく
  14. えこひいきする
  15. すまなかったという気持ちを表さない
  16. 人の話を聞かない
  17. 感謝の気持ちを表さない
  18. 八つ当たりする
  19. 責任回避する
  20. 「私はこうなんだ」と言いすぎる
(出典:『コーチングの神様が教える「できる人」の法則』(日本経済新聞出版社)より)

 読者の方はこのような癖を持ったリーダーの名前が何人くらい思い浮かんだでしょうか?この20の悪い癖でぜひ気をつけてほしいものがいくつかあります。まずは「1.極度の負けず嫌い」です。リーダーは往々にして、負けるのが嫌いで、上昇志向が強い傾向があります。もちろん負けず嫌いや上昇志向はある程度は必要なのですが、それらが強すぎると、問題になるのです。リーダーは組織の中でそれなりの成果を残し、評価され、現在のポジションについた成功者です。よって、自分は優秀で頭が良く、他の人よりも優れていると考えてしまいがちです。ただ、これはアチーバーの状態で、真のリーダーとは言えません。

 もし本当に頭が良く、優れているリーダーであるならば、部下や周囲の人をうまく巻き込み、彼らといっしょに成長し、それとともに組織も成長していくはずです。頭が良いと思っているけれど、実は頭が悪いリーダーというのは、人を見下し、バカにします。「自分は頭がいい」「優秀である」ということを必要以上に誇示し、人とうまくいかなくなります。「優れている」ということを主張し続け、一方で、他人に負けたくないという意識が強く、部下とささいなこと、くだらないことで競争します。そして、部下を見下し、部下の意見に耳を貸さなくなります。

 こうなると、次のような弊害が生まれます。

  1. 自分に情報が入ってこなくなる。
  2. 正しい判断ができなくなる。
  3. 部下との信頼関係が壊れる。

 ひいては、組織の運営が非常にぎくしゃくし、自身の判断ミスで会社をつぶす可能性も出てきます。

 昨年経営破綻した米証券会社リーマンブラザーズのリチャード・ファルドCEOに対して、助言をした人はいたのではないでしょうか? 不動産取引に偏りすぎていて、それは危険ではないかと警鐘を鳴らした人もいたはずです。その話は彼にきちんと届いていたでしょうか? もしくは、彼はその言葉に耳を傾けたでしょうか? おそらく、届かなかったのか、聞かなかったのだと思います。「極度の負けず嫌い」という癖は、信頼されるリーダーになるために改善しなくてはいけません。