人生を変えた部下からのフィードバック

 あなたは人からのフィードバックを素直に受け入れることができるでしょうか?私自身も、フィードバックに関して、人生を変える大きな体験をしたことがあります。あれは今から15年ほど前のことです。当時、32歳で100人以上を抱える営業部の次長に任命された私は、すっかり有頂天になっていました。札幌支店から福岡支店に転勤し、福岡支店の売上を3年間で4倍にしたことに強い自負を持っており、「自分は成功している」と思っていました。そして、自分でも気付かないうちに部下に対して横柄に振る舞っていたのです。

 あるとき、部下の女性営業職員が営業日誌にはさんで、手紙をくれました。そこには次のようなことが書かれていました。

 「福岡に赴任してきた当初の細川さんは非常に謙虚でした。すばらしいリーダーでした。私も尊敬していました。しかし、最近の細川さんはおごり高ぶっていると思います。昔の細川さんに戻ってほしいです。謙虚になって、みんなから愛されるリーダーになってほしいと思います。」

 この手紙を見て、私は血が逆流するのを覚えました。こんなにも成功し、誰よりも会社に貢献しているのに、なぜこのようなことを言われなくてはいけないのかと思い、すべてを否定された気がして、その晩は憤りのあまり眠ることができませんでした。

 翌日も怒りを抑えることができなかったのですが、3日目になって、ようやく少し冷静になり、自分が至らなかったと反省することができました。彼女は自分のためにフィードバックをしたわけではありません。私に良くなってほしい、そして、職場を良くしたいという思いから、その手紙をくれたのです。勇気を出して上司である私にフィードバックの手紙をくれた彼女に、私は自分が悪かったと心から謝罪しました。今考えると、彼女のフィードバックが私の人生を大きく変えたのです。